棚澤は第7代DEEP☆KICK -53kg王者で、フルコンタクト空手をベースにしたスタイルが持ち味。昨年プロデビューを果たして以降、6戦全勝(2KO)の成績を残しており、今大会がRISE初参戦となる。一方の末國は、RISEフライ級ランキング4位の実力者。空手とムエタイの技術を背景に、緻密な試合運びとカウンターの精度で知られている。今回は1階級上となるスーパーフライ級での一戦に臨んだ。
試合序盤はローやミドルが交錯する探り合いの展開に。末國はフェイントを混ぜつつ距離感と、スピードを生かして主導権を握ろうとしたが、棚澤は積極的に前進し、鋭いミドルキックでプレッシャーをかける。ラウンド後半には、“超・超攻撃的”と評される棚澤の手数が勝り、末國がスピード対応に苦しむ場面も見られた。
迎えた2ラウンド、棚澤は攻勢を強め、末國も至近距離での打ち合いに応戦。アッパーから連打を繋ぎ、反撃の姿勢を見せるが、棚澤は冷静にフェイントを織り交ぜ、相手のリズムを崩していく。
ラウンド中盤、棚澤が巧みなフェイントから右ストレートを打ち込む。さらにボディへの一撃から先ほどクリーンヒットさせた右を見せつつ、右ハイキックを一閃すると、これが末國の顎をとらえ、末國は一瞬フリーズするようにまっすぐ後ろに倒れ込んだ。立ち上がろうと試みる末國だが、体が言うことを聞かない様子。レフェリーがカウント7を数えたところで、末國を抱きかかえるように試合を止めた。
この一撃に「意識飛んでる」「期待のルーキー」などファンも騒然。実力者として知られる末國を知るファンからは「末國相手にこれはすごい」「末國は普通に強いからな」など驚きの声が聞かれた。
ABEMAの解説を務めた一馬も、KOシーンについて「一瞬フェイントを入れて、下に沈んで上に持っていった」「右ストレートを打つフリをして、蹴りにつなげた」と、その技術を高く評価した。
フルコンタクト空手がバックボーンの棚澤。リプレイ映像でも右のパンチを一瞬見せ相手のカウンターを誘い出して、見事な右ハイを一閃。その切れ味鋭い蹴りにファンも「空手やばっ」「これは本物」「期待のルーキー」「ミルコのハイだな…」と騒然。17歳の新星が実績あるランカーを相手に鮮やかなKO勝ちを収めたこの一戦は、今後のRISEスーパーフライ級戦線に大きなインパクトと影響を与えそうだ。
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