■助けを求めるアプリ、電車内なら「しゃがむ」も有効
声を上げる以外にも対策はある。松永氏はスマホアプリの利用を提案する。「110番アプリシステムという聴覚障害者向けのものがあるが健常者でも使って構わない。痴漢にあっていると言うのはすごく勇気がいることで、このアプリなら事情があって声が出せない時にも使える。事前登録が必要なので咄嗟の時に使いたければ、前もってダウンロードをして自分のデータを登録する必要がある」。
また電車内で取れる行動として「しゃがむ」ことも有効なケースがある。「車内で触られている時にスペースがあるなら、一番簡単な逃げ方はその場でしゃがむこと。しゃがんでしまえば触られることも、髪の匂いを嗅がれることもない。周りの人も『どうしたんですか』『体調が悪いんですか』と気にかけてくれやすくなる」。声を出さずに抵抗でき、かつ痴漢が避けたい周囲の視線を集めることもできる。
被害者を減らすためには、対抗策だけではなく加害者を減らす予防策もセットに考える必要がある。都内を走る電車には防犯カメラの設置が充実しておりJR東日本(新幹線・首都圏在来線)、JR東海(新幹線)、東急電鉄、京王電鉄、多摩モノレール、東京メトロ、都営地下鉄は設置率100%に達している。松永氏は「最近は現行犯でなくても、後から防犯カメラの映像を追いかけて逮捕されることも増えている」と効果を実感する。
またリディラバ代表の安部敏樹氏は「予防的な環境を作るのが大事」だといい、自ら痴漢加害者を取材した経験を踏まえた根本的な対策を提案する。「加害者は何十年とかけて1人で数千人、数万人とやっている。どうしても痴漢をしてしまう依存症の人がいたが、その人が痴漢をやめられたのは電車に乗るのをやめたから。全部、車で移動すれば触る相手がいなくなる。初犯であっても、1回でも捕まったならピーク時間の電車には乗せない方がいい」。
またEXIT・兼近大樹も、男性の立場として女性だらけの電車に乗る際は緊張が走るといい「満員電車の怖さがある。ドアが開いた時にギュッと詰まっていて、女性が何人かいた時に、この電車に乗るのをやめようという恐怖は男性側にもある。女性の近くに乗りたいという人はヤバい人。男性用スペースのようなものがあれば助かるし、ヤバい人も炙り出せる」と語っていた。
(『ABEMA Prime』より)

