【写真・画像】「日枝さんは1970年代、80年代、旧世界の住人」「清水社長との出会いは残念」「北尾氏は日本で最高の起業家の一人」…フジ親会社の株主総会が迫る中、ダルトンの最高投資責任者を取材 1枚目
【映像】「彼は向かいの席に座り…」ダルトンの最高投資責任者が語った清水社長との出会い
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 6月25日にフジテレビ親会社の株主総会が開かれる。それに向けてなのか、先日、大株主のアメリカの投資ファンド、ダルトン・インベストメンツの最高投資責任者であるローゼンワルド氏が来日。

【映像】「彼は向かいの席に座り…」ダルトンの最高投資責任者が語った清水社長との出会い

 ダルトンの思惑は何か。5月23日、テレビ朝日経済部の島田龍二記者がローゼンワルド氏を取材した。

━━今回来日した最大の目的や目標は?

「既存の投資先企業をたくさん訪問することだ。私たちは日本の様々な企業に投資しているので通常は3カ月に一度訪問し、1〜2週間でできるだけ多くの会社の経営に会うのが目標だ。今回は私がまだ会ったことがない6月に行われる株主総会に向けたフジの取締役候補に会うために来た。彼らにフジの社外取締役として立ち上がってくれたことに感謝したかった。彼らの多くはフジが必要としている専門知識を持っている。フジは不動産業を営んでいるので不動産業界出身者を候補に入れた。サンケイビルはおそらくフジにとって最も価値のある資産だろう」

━━今回の来日で一番印象的だったことは? フジテレビの清水社長に会えたこと? 

「悲しいかな、日本に来てから一番残念な出会いだった。この一週間で最も悲しい出会いは清水さんを訪ねたことだった。彼は私の向かいの席に座り、『どの取締役も受け入れられない』と言った」

━━今回の来日でどれだけのことを達成したのか?

「フジは私たちの指導に従い、独立した弁護士を雇い事案への評価を依頼した。そしておそらくその内容にショックを受け、長年そこにいた古参メンバーが退任することになった。だから80%くらいのところまで来ている。だが、ニューヨーク大学の教授として80%は『Bマイナス』だ。だから『Aプラス』が欲しい。できることなら100%の変化を見たい。大谷翔平のように打ち抜きたい。私はフジをコントロールしたいわけではない。ただ空気を入れたいだけだ。フジの中に空気を入れればサンケイビル、メディア、そして株式ポートフォリオという3つの事業からなるフジの価値がわかるからだ。空気を入れれば価値は上がる。そして誰もが儲かる。その方がすべての全従業員、スポンサーにとっていいだろう。日枝さんは古い世界、1970年代、80年代、旧世界のテレビの時代の住人だ。視聴者には選択の余地がなかった。見るべき放送局は2〜3局しかなかった。いま世の中はまったく違う。視聴者に見てもらわなければならない。視聴者をひきつける必要がある。そして若者はその方法を知っている。フジはリスクを冒して新しいコンテンツを作り続ける必要がある。長期投資は私たちの投資哲学と投資戦略の絶対的な基本だ。だからフジにはすでに2年以上投資している。あと10年、20年はフジの投資家でありたいと思っている」

━━株主総会に向けて別の戦略はあるか?

「あなたはプロキシーファイト(委任状争奪戦)と呼ぶが実際は株主の民主主義だ。私たちは(取締役候補)12人を立てている。フジ側は11人。株主が(取締役を)決めるのだ。これは選挙だ。ベストの候補者を選ぶ。株主が投票する」

━━大株主のレノ(旧村上ファンド系)やレオス・キャピタルワークスとは接触しないのか?

「私たちは話をしてくれるすべての株主とコミュニケーションを取るつもりだ。私たちと話をしてくれる株主には私たちが何をしたいのかを伝えたい。不動産事業のサンケイビルを分社化したい。政策保有株式の一部を売却し素晴らしいアイデアを持つ若者たちと一緒に新しいメディアやエンターテインメントへの投資を始めたい。私たちはフジにリスクを負ってもらいたい。フジは株の持ち合いを山ほど持っていてお金もたくさんある。それを使う。この20年間そうであったように座って寝ていてはいけない。それを使って新しいコンテンツを作る。これが必要なのだ。ビジネス、各ビジネスラインに集中し、リスクをとる。これこそ私たち株主が望んでいることだ」

ローゼンワルド氏が見たSBI北尾氏
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