試合序盤、ロクサーヌはジェイドの圧倒的なパワーを警戒し、巧みなフットワークで距離を取りながら場外へ逃れる“鬼ごっこ”状態に持ち込むなど、ブーイングを受けつつも慎重な立ち上がりを見せる。

 178センチの元バスケ選手を相手に、155センチのロクサーヌは真正面からの勝負を避け、隙を突いてジェイドの右足を鉄柱やスティール・ステップにぶつけるなど、徹底した脚攻めにシフト。さらにドロップキックやダブルジャンプ式ムーンサルトでダメージを重ねていく。

 自らの小柄さを巧みに利用し、背中に乗る“子泣きじじい状態”からのチョークであわやタップ寸前まで追い込むなど、中盤まではロクサーヌが主導権を握る展開が続いた。

 しかし、ジェイドもトーナメント決勝進出へ向けて痛めた右足を抱えながらも、ロクサーヌのクロスボディを真正面からキャッチし、フォールアウェイスラムやスパインバスターといったパワームーブを連発。徐々に流れを引き戻していく。やがてチョークスラムも決まり、持ち前の怪力が復調の兆しを見せ始める。

 試合後半はまさにトーナメント戦屈指の攻防。ジェイドのフィニッシャー“ジェイデッド”をロクサーヌが丸め込みで回避してエビ固めに持ち込む。さらにロクサーヌはジェイドのキックにも俊敏に反応してスーパーキック。バックブリーカーに対しては、勢いよくフェイスクラッシャーで切り返すなど直伝のサトムラ・スペシャルも炸裂。ロクサーヌの返し技が冴えわたる。

 流れは完全にロクサーヌかと思われたが…ここでジェイドも底力を発揮。長い足を活かした遠距離からのバイシクル・キックを叩き込み、強引にパワーボムで持ち上げてから引っこ抜くように“ジェイデッド”を炸裂させ、見事勝利を収めた。劣勢だった後半で顔を覗かせたのは、まさに“素の怪物”ぶり。パワーボムでロクサーヌを抱え上げた際には自慢のシックスパックが露わになったジェイド。勝ち名乗りを受ける際にも、ポージングとドヤ顔で自らの鍛え抜かれた肉体を誇示していた。

 ファンからは「シンプルなパワーボムがやばい」「(最後は)餅つきみたいだった」「(やっぱり)パワーだよパワー」「筋肉が全てを解決する」と、改めてジェイドの怪力ぶりに驚く声が相次いだが、勝利したジェイドは、この結果によりクイーン・オブ・ザ・リング決勝進出が決定。試合直後にはステージ上でアスカと対峙し、両者の視線が交錯する場面も。勝者には「サマースラム」でのタイトル挑戦権が与えられることから、シングルプレイヤーとして覚醒する“ストーム”の快進撃となるのか。あるいは夢の日本人対決が実現するのか――決勝戦への期待が一層高まる形となった。(ABEMAWWE『RAW』)

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