【WRC】第7戦 アクロポリス・ラリー・ギリシャ(デイ4/日本時間6月29日)
トヨタとヒョンデが熾烈な争いを繰り広げるラリー競技の世界最高峰で、日本人ドライバーがライバルに対して取った行動が、ファンから称賛を集める一幕があった。
ギリシャで開催されたWRC(世界ラリー選手権)では、オイット・タナックが総合優勝を果たし、ヒョンデにとっても今季初の勝利となった。しかし、事実上優勝が決まったゴール直後、異変が起こった。
29日の最終パワーステージを走り終えたタナックは、タイム上で総合優勝を確実にしたが、険しい表情でマシンを停止。「すみません、ちょっと車を動かします」とインタビューを中断し、ヒョンデのマシンを移動させた。一度、他のラリーカーが並ぶエリアに車を停め、ドアを開けた。そこに駆け寄ったのが、トヨタの勝田貴元だった。勝田は自身のGRヤリスの脇でファンとの写真撮影に応じていたが、タナックのマシンに気づくとすぐに駆け寄った。
この場面には、視聴者から「勝田が駆け寄ってたね」「勝田、紳士だね」といったコメントが寄せられた。また、現在はライバル同士の勝田とタナックだが、かつては同じトヨタに所属していた“元同僚”で、親交も深かったことから「タナックと勝田は師弟関係だから」といった声もあった。
その後、ヒョンデのマネージャーは「最後のステージで(タナックのマシンに)何が起こったのかは現在情報収集中」とコメント。解説のコ・ドライバー小坂宣崇氏も「どうもギアボックスにトラブルがあって、あそこを早く通過したかった」と指摘した。最終的にタナックの総合優勝は確定したが、異変をいち早く察知し、とっさの対応を見せた勝田の姿が、ラリーならではの光景として注目を集めた。(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
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