ファーストガンダムをリアルタイムで観ていた層や、再放送や配信で何度も触れてきた層にとって、「てててーん、てててん！」は身体に刷り込まれた記憶そのもの。視覚ではなく、聴覚がトリガーとなって時代を超えた感情を呼び起こすという点にこそ、今回の演出の巧みさがある。
画面は最新の演出で彩られているのに、耳が“46年前の感情”を引っ張り出してしまう。この感覚は、まさにガンダムが長年築いてきたブランドがもたらす“記憶の継承”と言えるだろう。
若い世代にとっては気にも留めない一瞬かもしれない。だが、あの頃心を熱くした大人にとっては、たった一音で少年に戻ってしまう──そんな魔法のような時間が、第2話のあのシーンには確かに存在していた。
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」は、1979年から続く「機動戦士ガンダム」シリーズの最新作。宇宙に浮かぶスペースコロニーで平穏に暮らす女子高校生のアマテ・ユズリハ（CV：黒沢ともよ）が、少女ニャアン（CV：石川由依）との出会いにより、非合法なモビルスーツ決闘競技《クランバトル》に巻き込まれていく物語だ。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズなど手がけるスタジオカラーとサンライズの共同制作が話題を呼び、テレビシリーズに先駆けて今年1月に公開された劇場先行版は、興行収入が約34億円という大ヒットを記録。6月20日より全国368館で再上映もされている。
(C)創通・サンライズ
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