「口からもお尻からもゲップとおならが出た」
訓練室に入り、再び酸素マスクをつけて席につく。しばらくすると、何かが吹き出すような音と同時に突然空間内が真っ白になり、訓練室は濃い霧がかかったような状態に。これが1秒で8000ftから2万2000ftの環境に変わる急減圧の訓練だ。
乗っている機体に穴が開くなど、何らかのトラブルで機内の環境が急変した場合を想定しているという。
訓練を終えた楪キャスターは興奮した表情で「何の前触れもなく一気に減圧されたと同時に、口から“ガス”が一気に出てきた。先ほどの訓練でもそうだったが、座学の時に『ゲップとおならが出るが我慢せずに出しましょう。出さないと危険です』という話があった。自然と口からもお尻からもゲップとおならが出た」と語った。
この訓練を担当している航空医学安全研究隊の西田香織二佐は「自分が気づかないうちに低酸素症に至ってしまう。まずは自分が低酸素の状態になった時にどういった症状が出るかを掴むのが訓練の目的だ」と説明する。
全員が合格できるわけではなく、訓練で何か異常があった場合は原因を精査の上、再チャレンジすることになるという。
西田二佐は「航空環境はいかに過酷かというのは現実問題としてあるので、私たちはこういった航空環境でいかにリカバリーできるか、いかに何か不測の事態があった時も対処できるかというのを一環として訓練を組んでいる」と語った。
この日の訓練について楪キャスターは「訓練中はアドレナリンも出ていたので疲れは全然感じなかったが、家に帰って、夕ご飯を食べるとそのままベッドにダイブするように寝てしまった。次の日も朝から仕事だったが1日中体が泥のように重たかった。こうした訓練を日々積まれている自衛隊の方々は本当に尊敬する」と振り返った。
(ABEMA/ニュース企画)

