準備ノートの“暗号”とは?
実はこの「準備ノート」、暗号だらけだという。なぜなら、放送席のスペースには制限があるため枚数を少なくする必要があり、例えば、テキサス・レンジャーズは「TEX」、シアトル・マリナーズは「SEA」など短い言葉で記載されている。清水アナウンサーは「僕の場合は『95試合目』ではなく『95g』と書く。うちの子どもはこれ見て『95グラムなの?』と言っていた」と笑顔で話した。
大枠のあとはいよいよ「選手」について調べるかと思いきや、清水アナウンサーは首を振る。
「次は監督・コーチは誰なのか、となってくる。今回のオールスターゲームにおいてはジョー・トーリという松井秀樹選手がヤンキースにいた時の監督がレジェンド枠としてベンチに入るなどというおしゃれなことがある。すると、トーリの経歴をまた調べ始めるわけだ。こうすることでカメラがトーリを映した時に『監督として通算2326勝を挙げています』などと伝えられる。ちなみに松井選手がワールドシリーズでMVPを取った時はもうジラルディ監督になっていた」
さらに、「準備ノート」では、ファーストネームは半角カタカナでファミリーネームは全角のカタカナにすることで、実況で呼ぶ名がぱっと目に入るようにするなど、細かい工夫に満ちている。
次にいよいよ「選手」だ。例えばアーロン・ジャッジ選手については「158g322/58HR/144RBI/10S/1205/180H→HR,S以外CH」と記されている。
この意味について清水アナウンサーは「2024年の成績が、158試合出場、打率が3割2分2厘、58本塁打、144打点、10盗塁、OPS(出塁率プラス長打率)が1.205、180安打。ホームランと盗塁以外はキャリアハイ」と説明。
続いて同じくジャッジ選手の「NYY 33歳 92.4.26 201/128 13ド1(32)16.8デ 23年9年3億6000万」については「ヤンキースの33歳。92年4月26日生まれ、身長201センチ128キロ、13年のドラフトで1位指名をされた。これは全体の32番目。デビューは2016年の8月で契約は2023年から9年・3億6000万ドル。つまり1年あたり50億円〜60億円で9年契約だということで“すごさ”がわかる」と説明した。
さらに大谷選手については詳細で「過去のオールスターに関しても『誰からヒットを打った』などの情報も記載しているが、これをやり出すともう止まらない。また、大谷選手についてはメジャーに行ってからの成績も全部書いている。直近3年ぐらいは月ごとの成績なども記載している。今年のデータについてはギリギリまでレギュラーシーズンの試合があるので最後は手書きで入れている」という。
オールスターの実況におけるこだわりについては「皆さんが注目してるのはもちろん日本人選手だが、僕の思いとしては皆さんがまだ知らないであろうメジャーリーガーたちが『こんなにすごい選手なんですよ』と伝えたい。また、来年WBCがあるので今回のオールスターを見ながら『この選手ドミニカにいるの?』『この選手はアメリカ代表でWBCに出るともう宣言しているの?』などの情報も伝えたい」と述べた。
さらに現場の臨場感を伝えるために最高気温や日の入りの時刻など、「その場所の温度感や雰囲気」も大事にしているという。
(ABEMA/ニュース企画)

