
3連休最終日の21日も、各地で体温を超える暑さとなりました。厳しい猛暑で活発化するのが人を襲う「スズメバチ」。この夏、都市部で大繁殖しているようです。
都市部で「凶暴バチ」大繁殖中
厳しい猛暑に活発化するのが、人を襲う獰猛(どうもう)な「スズメバチ」です。
スズメバチの駆除業者には、7月からお盆の時期にかけて、依頼が相次ぐといいます。
21日は、茨城県内の建設会社へ。

巣を作っているのは、「都市適応型スズメバチ」とも呼ばれる、「キイロスズメバチ」です。体は小さくとも、「オオスズメバチ」に次いで攻撃的と言われています。
スズメバチの駆除を依頼
「発見したのは2、3日前。気が付かなくてびっくりした」
キイロスズメバチは、1匹の女王バチが、2万個から3万個もの卵を産むといいます。
スズメバチハンター
松原産業 松原暢明さん
「軒下に(巣を)作る時もある。家の壁の中や屋根裏など目に見えない所にも入るから厄介なハチ。放っておくと(巣が)めちゃくちゃ大きくなる。1000匹~1500匹のハチが生まれてくる、秋になると。攻撃性が強くて一斉に飛びかかってくる。速いから気付いた時には刺されている、よけようがない」

住宅の至る所に巣を作ります。ベランダの物干しざおにつるした洗濯ばさみに丸い巣が…。
7月に働きバチが増えると、土の中の巣から引っ越して、新たな巣を軒先などに作るといいます。

20日は、テニス大会に参加していた10代から70代の男女17人が、キイロスズメバチに刺される被害が。近くの排水口の中に巣が見つかり、業者が駆除しました。
都市適応型スズメバチ 猛暑の影響で危険が増加?
今年は猛暑の影響で、スズメバチの巣が、知らぬ間に大きくなってしまう恐れがあるといいます。

松原さん
「みんな暑いと外に出ない。いつもの夏より家の周りを見たり植木の掃除をしない。ハチの巣ができていて、どんどん大きくなって、涼しくなって外に出たころにはハチの巣が大きくなっている。後で発見されて危ない」
スズメバチの鋭い毒針で、命を落とす危険があります。

ハチの毒による、「アナフィラキシーショック」です。2度3度刺されると、体内にできた抗体がアレルギー反応を起こします。その結果、呼吸困難や血圧低下などに陥ることがあります。
ハチに刺され命を落とす人は、毎年およそ20人に及びます。
2日前に、スズメバチに、太ももを刺された50代の男性は。

「スズメバチは刺された瞬間に激痛。針を刺して電気を流したような痛み。すぐ分かる、ハチにやられたと。夜に刺されて6時間は思いっきり痛い。2回刺されるとやばい。スズメバチに刺されたのは初めて」
業者に依頼があった現場では、掃除機でスズメバチを吸い込み、駆除しました。
意外な場所に巣を作るハチは他にも…。
住宅が建ち並ぶ一角にもハチの巣
駆除業者が向かったのは、住宅が建ち並ぶ一角です。住民も気が付かない場所に、ハチの巣が。
駆除を依頼(40代)
「お隣がバルコニーから『ハチの巣が見える』と。うちの敷地内からは見えず。こんなところにあったんだと」
住宅の壁に、はしごをかけてのぼります。

屋根の辺りをのぞいてみると、屋根と排水口の間にハチの巣を発見。
市街地でよく見られる、スズメバチ科の「アシナガバチ」です。巣の穴には、白い繭(まゆ)が確認できます。
駆除を依頼(40代)
「2歳の子どもがいて庭で遊ぶので怖い」
殺虫剤で駆除します。巣が大きくなる前に、取り除くことができました。

松原さん
「白いのがサナギ。黒いのが幼虫。1週間ほどで白のサナギが生まれて、巣も大きくなる。最終的に巣は4倍くらいに」

ハチの巣を見つけたら、刺激せず、早めに駆除を依頼するよう呼び掛けています。