
トランプ関税の発動が来月1日に迫るなか、8回目となる関税交渉に臨む赤沢亮正経済再生担当大臣がアメリカに到着しました。選挙で大敗し政権が揺らぐなか、交渉が進展する可能性はあるのでしょうか。
【画像】参院選での与党敗北 米紙「関税交渉に混乱生じる恐れ高まる」
政権揺らぐなか8回目協議へ

石破茂総理大臣
「我が国の国益を守り抜くことを大原則に、8月1日という新たな節目も念頭に、関税ではなく投資という考え方を基盤に、日米双方にとって利益となる合意の実現をしてまいります」
石破総理が続投の一番の理由として挙げた日米関税協議。25%の関税が刻一刻と迫っています。

19日には、キーマンのベッセント財務長官が大阪・関西万博を視察。その際、赤沢大臣は付きっ切りで4時間アテンドしましたが、関税については話題に上らず進展なし。参議院選で大敗するなか、赤沢大臣は21日に8回目となる関税協議に臨むためワシントンに向け出発しました。
赤沢大臣
「なかなか交渉が一筋縄にいかないところはあります。しかしながら、総理がずっと一貫しておっしゃっている、関税より投資という考え方で、米国に対する提案を行い、一貫した考え方のもとで着実に議論をし、理解が詰み上がっている」
「混乱生じる危険性」海外報道
政権の土台が揺らぐなか、アメリカメディアのウォール・ストリート・ジャーナルは20日付でこう報じています。

「与党が重大な敗北を喫した。厳しい関税措置を目前に控えるなか、交渉に混乱が生じる危険性が高まっている」
日本時間21日午後11時すぎ、アメリカに到着した赤沢大臣。選挙大敗の協議への影響について問われるとこう答えました。

「(懸念の)声はどこから上がっているのでしょうか?」
「(Q.主にアメリカメディアから)メディアは私の交渉相手ではございませんので。一言でいえば、私の交渉相手は米側の閣僚」
7回目の渡米の際は滞在を延長したにもかかわらず、まとめ役のベッセント財務長官との面会がかなわなかった赤沢大臣。

「なかなか協議も思うように日程調整がつかなかったり、そういうことも含めて五里霧中」(先月30日)
今回も、具体的なアポイントが取れているか明言しませんでした。
「(Q.ベッセント氏、ラトニック氏、グリア氏と個別に会う?)そこは米側の都合によるものですので、3人の閣僚が私の交渉相手という認識の元で、ご都合のある方と協議をしながら、合意に向けて必要な協議を積み重ねている」
専門家からは「選挙結果は関税協議にあまり影響しない」という声もあります。

野村総合研究所
エグゼクティブ・エコノミスト
木内登英氏
「日米関税協議について、もともと野党から全く違ったアプローチを求める声もあまりなかった。選挙で負けたから日米協議の姿勢を変えることにはならない。基本的に大きな影響はないのではないかと思います」
(「グッド!モーニング」2025年7月22日放送分より)
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