参政党大躍進からの一夜…衝突も 自民党大敗で噴出する退陣論 石破総理続投の思惑は
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 参議院選挙で過半数割れした自民党ですが、石破茂総理大臣が21日に正式に続投する意向を表明しました。自民党内部からは石破総理に退陣を求める声が上がっています。

【画像】「朗報です。石破首相がやめないそうです」石破総理の続投表明に皮肉を言う参政党・さや氏

参政党 大躍進からの一夜…衝突も

参政党 神谷宗幣代表
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参政党 神谷宗幣代表(47)
「今回は14議席いただきました、ありがとうございました」

 選挙区で7議席、比例代表で7議席、合わせて14議席を獲得する大躍進をみせた参政党。一夜明けた3連休最終日の21日、新橋駅前で行われた街頭演説では興奮冷めやらぬ熱気が…。暑い日差しが照り付けるなか、多くの人が詰めかけています。

参政党 神奈川選挙区で当選 初鹿野裕樹氏
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参政党 神奈川選挙区で当選
初鹿野裕樹氏(48)

「神奈川の“はじ”から“はじ”まで初鹿野(はじかの)裕樹です。はっきりと(当選確定が)決められなくて朝の4時までかかってしまいました。みなさんを寝不足にさせてしまって、すみませんでした」

 日本維新の会を離党し、参政党の比例代表で再選を果たした梅村みずほ氏(46)はこう話しました。

参政党 比例区で当選 梅村みずほ氏
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「スパイ防止法、作りますよ」
「政治の素人から私も6年前来ましたけれども、政治素人の新人の候補者、6年後にはこんな暴れ馬になるで」

 時間とともに支持者も増えていき、政党カラーのオレンジ色を意識した着物の人も…。

参政党支持者 40代 主婦
「前の衆議院選挙の時に友達から教えてもらったんです。参政党っていうのがあるよ、と。その時は自民以外ならどこでもよかったから参政党って書いた。そこからすごいハマっちゃいました」

 演説に聞き入る支持者の周りでは、「女性は産む機械ではない」「人間にファーストもセカンドもない」などのプラカードが掲げられていました。

参政党に反対する人
「日本人ファーストをあげている。それは人間に優先順位をつけていること。人間は平等ということに反している」

男性が突撃しようとする場面も
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 男性が突撃しようとして警視庁の腕章をした人が男性を押し返しています。

警視庁
「ダメダメダメ、これ以上ダメですよ、ダメダメ」

 小競り合いを起こしていた男性に話を聞いてみると、次のように話しました。

参政党に反対する人
「(Q.ちょっと暴力的と言われていることについて)何が暴力的なのかよく分かんないですけど。そう見えているだけであって、言論で反論しているだけ」

熱狂の街頭演説 総理に皮肉

 参政党を批判する声に対して、神谷代表はこう話しました。

「日本の形を変えそうだという期待感があるから」
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「存在感があって日本の形を変えそうだという期待感があるから、必死で止めようという人たちがいるんです。参政党はもっとしっかり力をつけて政策もより充実したものにして、彼らもいずれ参政党のファンにする」

 支持者からひときわ大きな声援を受けたのが、東京選挙区で初当選を果たした、さや氏(43)でした。

「愚かな妨害が起ころうとも、まどわされることなく参政党を支持してくださった。本当にありがとうございます。皆さんが大好きです」

 選挙戦初日にも新橋のSL広場で演説を行いましたが、21日ははるかに多くの支持者が集まりました。

 自民党の石破総理の続投表明には、皮肉も…。

石破総理の続投表明に皮肉も
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さや氏
「朗報です。石破首相がやめないそうです。非常識な首相をこれからわたしたちはオレンジ色の風で吹き飛ばさないといけません」

参政党支持者 40代 主婦
「(Q.今回(議席が)14人になりましたけど?)予想外、サプライズ。6議席いければ最高だと思ったんですけど、10超えた、14(議席)」

参政党支持者 30代 会社員
「(Q.どうしてこちらに来ようと?)こんなに大勝ちしてるんで絶対来るしかない」

 今回の参院選では、自民党から乗り換えて参政党に投票をした人もいました。

パートタイマー 50代
「変化を求めて。ずっと停滞気味だったんで自民党で」
「(Q.参政党のどういうところにひかれた?)あんまり細かくはちょっと…。最近話題になってたので、SNSとか」

製造業の会社員 60代
「自民じゃないようにと思って、日本ファーストみたいな感じでやってるので、応援したいなと思いまして」

自民大敗で噴出する退陣論

 一方、大敗した自民党は激しく揺れています。

自民党 河野太郎選対委員長代理
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自民党 河野太郎選対委員長代理
「総選挙、参議院選挙と国政選挙で2回惨敗しているなかで、幹事長がきのう(20日)の晩、結果が出てくるなかで、お辞めにならないというのは極めておかしいと思います。ここから改めないと自民党の再生というのは難しい」

 河野太郎氏は、森山幹事長の続投を批判。自身は「職責を全うしたとは言い難い」と、選対委員長代理の辞表を提出しました。

 石破総理と総裁選を争い「ポスト石破」の1人として名前が取りざたされている自民党の小林鷹之衆院議員もこう話しました。

自民党 小林鷹之衆院議員
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「国民の皆様から自民党に対して最後通牒(つうちょう)を突き付けられた。国民の皆様の自民党に対する信頼が大きく失墜した。これについては重く受け止めるべきだと。責任の重さというものは党のトップとしてしっかり受け止めていただきたい」

 落選した候補からも、党への不満や批判の声が噴出しました。

自民党 杉田水脈氏
「自民党への逆風というのはすごくあって、いくら説得しても『杉田さんが自民党にいる限りもう入れたくない』と、『自民党なんかつぶれてしまえ』と」

自民党 佐藤正久氏
「結果という部分については、トップが責任をとるというのが組織の常道。そこは総裁自ら判断をしていただきたい」

石破総理続投の思惑

 21日、石破総理は参院選大敗を謝罪しました。

石破茂総理大臣
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「多くの有為な同志の方々、議席が得られなかったということは痛恨の極みであります。自由民主党総裁として心より深くおわびを申し上げる次第でございます」
「今、最も大切なことは、国政に停滞を招かないということであります。比較第1党としての責任、国家国民の皆さま方に対する責任を果たしていかねばならない」

 続投の意向を正式に表明しました。

 しかし、自民党内からは退陣論が噴出しています。

自民党 麻生太郎最高顧問
「石破総理の続投は許されない」

自民党 中堅議員
「この負け方で続投はあり得ない。衆院選、都議選、参院選と3回連続(敗北)で民意が示された。辞めるのがスジだ」

 2007年、第一次安倍政権で臨んだ参院選。自民党が第1党の座を明け渡す惨敗を喫した時、安倍総理に退陣を迫ったのが、当の石破総理自身でした。

2007年、安倍総理に退陣を迫ったのは石破総理自身
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「責任は総理にある。総理が責任をおとりにならないで、みんな総理の責任を問うのはやめよう、挙党一致だということでね、責任の所在がうやむやになってしまう。1票を投じた有権者は、自分の投票行動は何だったんだろう、そういう思いを持たれるんじゃないですかね」

 あれから18年…。

「(Q.当時の安倍総理に対し『辞めるべきだ』『自民党が終わってしまう』と。この時の対応に比べて今回のご自分の判断は甘いのでは?)安倍総裁が続投なさるという表明をなさいました。なぜ続投なさるのかということについてお述べいただき、国民の皆様方にご理解を得る必要があるだろうということを申し上げました」

 石破総理の会見を受けて、野党からは…。

立憲民主党 野田佳彦代表
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立憲民主党 野田佳彦代表
「だらだらとした政治をいつまで続ける気なのか。衆議院選挙、都議選と敗れて参議院選挙で敗れたことについての意味合いが、まだよく分かっていないのではないかと思います」

国民民主党 玉木雄一郎代表
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国民民主党 玉木雄一郎代表
「ちょっと驚きましたね。執行部も誰も責任も取らないということなので、まるでこの選挙がなかったかのような対応で、選挙を通じて示された民意に対して、真摯に向き合っている姿勢を感じませんでした」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年7月22日放送分より)

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