■過半数割れで加速した与野党協議

 自民党は昨年の衆院選で大敗し15年ぶりの過半数割れを起こした。通常国会でも多くの法案が提出されたが、与党議員はその度に野党議員と協議を重ね、時には要求を飲み込んだ上での妥協点を模索し、成立へとこぎ着けた。過半数を持つ時であれば、野党の意見を聞きはするものの、そのまま“数の力”で押し切れただけに状況は一変した。

 テレビ朝日・報道局政治部長の藤川みな代氏は「(自民党内で)通常国会がすごくしんどかったと聞いた。野党とそれぞれ政策ごとに協議をするのに、調整された議員が非常に苦労されたという。しかも苦労してやったにもかかわらず、その結果が本来自民党のやりたいこととは違うため、自民党支持者からの評価につながらず、野党の手柄になってしまうので、これから先も続けるのはこりごりだという方が結構いる」と内情を説明した。また旧石破派の自民党・山下貴司衆議院議員は、予算委員会の理事と憲法審査会の幹事を務めると「大変だったがある意味、大変な中で紡ぎ出すのも醍醐味だと思った。党派間でいろいろやりながら、オープンな場で決めるのは非常にやりがいがあった」とも語った。

■野党に票を投じた国民の意見も反映
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