振りかぶったパンチに対してお手本のような芸術的なクロスカウンターが“バコッ”。まるでボクシングアニメのシーンを彷彿させる劇的な失神KO決着。対戦相手の身体がまるで糸が切れた操り人形のように崩れ落ちる様子に騒然となった。
7月26日、後楽園ホールで開催された「Krush.178」で、山本陸(K-1ジム総本部チームペガサス)と夏気(VRK GYM)が対戦。山本が2ラウンド1分22秒でKO勝利を収め、本戦1試合目から鮮やかなフィニッシュで観客を沸かせた。
階級を上げ、前回の連敗を脱出した山本と、30歳で他団体にも精力的に参戦している夏気。過去、Krushでは3戦いずれも勝利がなく、初白星を狙う一戦となった。
試合は開始直後から山本のペース。ローの蹴り合いからワンツー、左右のフックやボディ、右ハイキック、変則的な左の蹴りなど、スピーディーかつ多彩な攻撃で夏気を圧倒。肩の力が抜けたミドルや鋭いボディ攻撃を連発。夏気も前に出て積極性を見せるが、終了間際にぐらつく場面もあり、終始山本の主導権でラウンドを終えた。
2ラウンドに入っても夏気はミドルやパンチで応戦するが、山本はボディや顔面への打撃で着実にダメージを蓄積。状況を打開しようと夏気が右ストレートで前に出た瞬間、山本が右フックを見事なカウンターでクリーンヒット。夏気はこの一撃でマットに叩きつけられ、失神しながらグシャリと崩れ落ち、レフェリーが即座に試合を止める衝撃的なKO決着となった。
ファンも「綺麗なカウンター」「まるで漫画」「倒れ方えぐっ」と大興奮。スローリプレイでも夏気の右のモーションを追い越すように顎へグサリ。まるでボクシング漫画のクロスカウンターのような理想的な一発に、「カウンターで顎」「いいパンチ」「全然見えてないなぁ…」と騒然となった。
KOされた夏気はダメージの深さから担架で運ばれた。ABEMAの解説・石川直生も「最初から山本選手に好き放題やられてしまって…」と、あまりに一方的な展開に言葉を失った様子。連勝を飾った山本は、スーパー・フェザー級戦線で面白い存在として急浮上し、注目度をさらに高める一戦となった。
なおダメージが心配された夏気は自身のInstagramを更新。マットに沈むKO負けシーンの写真と共に「2R KO負けでした。人生初の失神を経験しました。何でやられたのか何が起こったのか何もわからない状況です。純粋に山本選手が強く、自分が弱かった結果です。応援して頂いた方、サポートして頂いたチームのみんな本当にありがとうございます。ダメージ抜けたらすぐ練習を再開して上に行けるよう力をつけていきます。」とファンや関係者に感謝を述べ、力強く再起を誓った。
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