メインキャスト4名のオフィシャルインタビューが解禁
★インタビュー対象者★
・ルド役:市川蒼
・エンジン役:小西克幸
・ザンカ役:松岡禎丞
・リヨウ役:花守ゆみり
──原作を読んだ印象は?
市川:僕はテープオーディションを受けさせていただいた時に原作を読ませていただいたんですが、何と言っても絵力があるし、その中でも特に目力の強さを感じました。キャラクターの怒気をはらんだ目だけで、振り切ってしまうくらいに強く訴えかけるものを感じて。その印象が強烈で、ものすごくインパクトがありました。さらにキャラクターを自由に、魅力的に描き出すことで、そこに人間らしさやリアリティー、キャラクターの個性が見えてくるような作品だなと思いました。
小西:僕は第1巻が出たタイミングから読んでいました。市川くんが言っていたように、キャラクターも面白いし、お話も面白い。そして何より、裏那圭先生の絵の力が本当にすごい。静止画であるはずなのに、すごく躍動感があるというか。そこに“ちゃんと血肉が通っている”という印象が強かった。ぶっ飛んだキャラがたくさん出てくるし、ワードも面白い。天界のエピソードから下界に降りてきてというところから物語ははじまるんですが、その時点ではどんな話なのか分からないところもあったんですが、第1巻を読み終わる頃には虜になって、どんどん読み進めた感じでした。
松岡:とにかく“凄まじいな”というひと言ですね。一回、先生の頭の中のネジを外して、カパッと開けて中を見てみたいなと思いました。どうやったらこんなことを思いつくのだろうと。今は最新巻まで買って読んでいますが、毎回「どうなっちゃうの?」と続きが気になって仕方がない。これを週刊で追っている人たちは、毎週どういう思いで読んでいるんだろうと思いました。だから僕は単行本で買うんです。毎週モヤモヤしたくないから。それくらい頭の中に残る作品だったので、裏那先生リスペクトです。
花守:私もテープオーディションの段階で4巻まで読みました。絵のスピード感と背景の描き込みが独特かつ繊細、とにかくパワーがすさまじくて。マンガの段階から、頭の中に映像が浮かんでくるような作品だと感じました。ルドは奈落に落ちてしまったから、天界の事は分からないわけです。でも読み進めていくうちに、ルドは少しずつこの世界を知っていき、読者はルドの目線になって、ますます先が知りたくなっていくんです。好奇心を常にくすぐられ続ける作品だなと感じました。頼れるはずの仲間たちが何を考えて生きているのか、ということもだんだんと分かってきて。わたしたちはこの子のことを全然分かってなかったんだ。もっと知りたい、でも知りたくない……というようなアンビバレントな感情の中で、どんどんこのマンガの独特な味の虜になっていきました。そしてそれをアニメーションの芝居に落とし込む際も“どんな方向性で行くのか”をずっと考えていました。今は収録も進んでいて、こういう風な方向性にしたいなというのは、みんなの中にあると思うんですけど、台本をもらうたびに驚きがあって。それこそ週刊で読んでる人たちは毎回、大どんでん返しみたいなことを感じていると思うんですが、そうしたスピード感こそがこのアニメの魅力につながるんじゃないかと思っています。
──ご自身のキャラクターの魅力について教えてください。
市川:ルドはとにかく真っすぐなキャラクター。最初はコミュニケーションが上手な子ではないけれど、自分の感情を相手にぶつけることに臆してないというか。自分の感情のままに突き進むところがすごく魅力的だなと思います。ただし頑固で、人を拒絶しているというわけではなくて、掃除屋の仲間たちと接していく中で、どんどん柔和になっていく。他者と関わることでどんどん吸収していこう、相手のために何かしようという想いが芽生えていくんです。自分ひとりの力ではなく、誰かに頼るということを身につけていくところがすごくルドらしいというか。「こちらが助けてあげよう」と思うのではなく、「彼の生きざまを見守りたくなる」ようなところが魅力だなと思います。
――ただルドはだいぶ不器用だなと思います。
市川:そうですね。ただその不器用なところがルドの良さでもあるので。大人になると立ち回り方がうまくなっていくと思うんですが、彼はそれができないからこそ、彼が今後どう動いていくのかが気になりますし、どんどん先の物語を見たくなる。不器用なりのまっすぐさに感化される部分ってあると思うんですが、そこが彼の魅力だと思います。
小西:エンジンは掃除屋の一員であり、ルドを掃除屋に引き入れた元凶でもあります。つかみどころのないキャラクターではありますが、実はまわりのことをよく見ていて、しっかりと面倒も見ている。ザンカくんというお世話係をつけたりして。そしてこれはこの先の話になってくるんですが、彼が「なぜ掃除屋にいるのか」「掃除屋で何をしたいのか」「掃除屋として今後どう生きていきたいのか」といったところはまだ描かれていません。だからこそ、非常に引きが強いというか。一見、ゆるく生きているようでいて、決めるときは決める。カッコいいところだけ全部持っていくんで、まわりから見ると一番おいしいキャラだと思います。ギャグもできるし、シリアスで締めることもできる。本当にいろんな顔を持つキャラですね。どれが本当の顔なんだろうなとは思いますが。ふざけている中にも、ふと真剣な目をする瞬間があって。そういうところを自分でもちょっとずつ拾っていけたらいいかなと思っています。
――エンジンは、ルドとザンカの“衝撃の出会い”を聞いて大爆笑してましたが。
小西:とにかく全力で楽しんでいるヤツなんじゃないかなと思います。だってなんでもある世界じゃないですからね。汚染されているし、行けるところも限られている。けれどある意味抑圧されていない人たちだと思うんです。明日死ぬかもしれない、今日死ぬかもしれないという中で一生懸命生きているから。きっとみんな楽しく自由に生きているんじゃないかなと。そうなると自分に関わった人は大事にしようと思うし、その中で何をやりたいんだということを見つけて、そこに走っていく力も強くなる。きっとそういう人たちの集まりなんだと思うんですよね。だからこそ奈落で生きている人たちはカッコいいんだと思います。
市川:良くも悪くもみんな対等に生きているから。だからこそ個々の自由、持っている生きざまがカッコ良く、形になっているんだと思います。
小西:だからルドも最初はビックリしたんじゃないですかね。天界とは全然違う世界だったから。
――ザンカの魅力はどう感じていますか?
松岡:ザンカは、第一印象では大雑把な男という印象を受けましたが、それでも言葉から感じるもの、その言葉の使い方などに違和感もあったので、原作を読み進めていくうちに「なるほど、そういうことがあったから今のザンカがあるんだね」というところで合点がいきました。最初のうちは、台本を読んでも僕の頭の中で何かが「違う!」と叫ぶんですよ。言葉の使い方、話し方などでも「お前の今のやり方だときっと薄っぺらいものになる」と思ってしまいました。普段は原作を読み取ることができるのならば、たとえ先の展開を知らなくても一緒に成長できると思っているのですが、この作品はそういうものではなかったです。だから原作を読み進めていくうちに「なるほどね」と理解をしてからは、がっちりエンジンがかかったような感じがしました。だから大雑把に見えても、根底には自分の信念があるというところが見えたらいいなと意識しながら演じました。
――この作品はザンカとルドとの関係性も面白さのひとつだと思いますが。
松岡:出会いからして、めちゃくちゃですからね。最悪の中でも特に最悪な出会いですから。でもザンカは"あんなこと"があっても、なんだかんだ言ってルドのことは見ているという部分は隠しきれない。もしも"あの出来事"がなくて、ただ単にルドを掃除屋の組織の一員として迎え入れていただけだったとしたら、おそらくそこまでルドに思い入れはなかったんじゃないかなと思うんです。良くも悪くも最悪の出会いがあったからこそ良かった。ルドを見た瞬間に"あれ"が思い浮かぶわけですから。
花守:最悪だ……(笑)。
松岡:この“クソガキ”が……ということですよ(笑)。
――リヨウはどうですか?
花守:オーディションの話に戻るんですが、つかみどころがないというところを大切に演じたいなと思っていました。本番でのディレクションでも「声に表情をつけすぎないで、でも感情はちゃんと揺らしてほしい」というオーダーをいただいたので、それを自分の中でかみ砕いて。黒猫のように、人の懐には入ってくるのに、自分の懐には入れない。手を伸ばしたらスルッとどこかへ行ってしまうような危うさと、魔性の魅力がある子になればいいなと思いながら、今も研究しながら演じさせていただいております。ただ原作を読んでいても、いまだにわたしは彼女のことを何も知らないなと感じますし、もっと知りたいなとも思うんです。この気持ちをどうか、アニメを観ている方にも、ルドにも感じてもらえたらいいなと思いながらも、弄ぶ女の芝居を"怖い"と感じさせないようにできたらいいなと思いながら演じています。たぶん演じているわたし自身がリヨウの虜になっているんだろうなと思います。
――リヨウは戦闘能力の高さも魅力だと思いますが。
そうですね。そこも後々のキーになってくると思っているんですが。ただ今後、本当に彼女のことを何も知らなかったんだと、打ちのめされるようなシーンがあるので。そこに向けて、アニメを観ている方に、いかに彼女の魅力を感じてもらえるか、好きだなと思ってもらえるかが役者としても試されているなと思っているので。わたしも頑張ります。
命が宿ったらいいと思う物は?- 日本語
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