実績のある経営者が日本の課題に挑む全く新しい「実績重視」の提言トーク番組、ABEMA『For JAPAN シーズン3 #18』が8月8日に配信。「交渉術」について議論した。
株式会社イクタ代表取締役社長 宮田浩史氏は「根回しこそが交渉」と主張した。
「例えば社内でも前もって『実はこういうことをやりたい』などとアイデアを投げておいて、実際に刈り取る時に『皆さんどう思いますか?』と聞く。すると、みんなそれに対して答えをすでに用意している。対外的にも事前に会社の現状などを話しておくと、それに対して方向性が合ってくる」
これに対し、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏は「僕の交渉のやり方は、まず自分の要望をとにかく削いでいく」と明かした。
「こっちが絶対的なパワー優位でなければ、お互い譲歩せざるを得ない。つまり、自分が譲歩すればするほど交渉はまとまる。だからどこまで自分は譲歩できるのか、自分の要望をテーブルに並べて、『絶対的に維持したいもの』『そうでないもの』と散々考えながら、自分の要望をできる限り最小限にするところからスタートする」
さらに根回しについては「様々な定義があり、宮田さんのようにメンバーにはかっていくという方法もある。大阪府知事として国と交渉した際にはまず府庁で“軸”を固めないといけない。この時には僕と真逆の意見を主張する人たちも入れてオープンの場でガンガン議論させた。この時に全会一致させてしまうのは最悪だ。なぜならみんなが空気を読むようになるからだ。だから『決定権は自分にある』とはっきりさせた上で僕が削ぎ落として『絶対的に勝ち取るところ』を腹に入れて政府と交渉していた」と説明した。
番組MCの古舘伊知郎は「空気を読むことも大事だが、それだけではダメだ。今の橋下さんの話は空気を読むの次の段階で『風を読んでいる』」と話し、これには橋下氏は「うまいですね」と感心した。


