■9月2日に出すことの問題点
内容もさることながら、見解が出される時期も重要だという声がある。60年、70年、80年と終戦記念日の前後に発出されたが、これが8月下旬から9月前半になった場合、日本としては「終戦後」という意味合いが持たれ、さらに9月2日あるいは3日という日に限れば、また別の意味合いが出る。その日は降伏文書の調印式が行われた日で、アメリカは9月2日、ロシアと中国は9月3日を「対日戦勝記念日」としているからだ。
佐藤氏は、仮に石破総理の見解が9月2日に出されるとしたら「これは大問題だ」と声を大きくする。「石破総理は『敗戦』と『終戦』というものにずっとこだわっていて、9月2日が大事というのが彼の持論だ。ただし、もしこれをやってしまったらロシアが8月15日以降に無抵抗で非武装の日本軍、あるいは子どもたちに悲惨な狼藉、一部虐待を働いたことの正当性を認めてしまうことに繋がりかねない。ロシアの正当性は9月2日までは公文書が生じていないから戦争してもいいというもの。これを認めてしまうことになる」と断固反対する。
これには五野井氏も同意見だ。「9月2日に談話を出すのは本当に愚かなことだ。戦争が終わり、日本が無条件降伏をした後、ロシアが攻めてきたことを認めることになる。非常に意味を持つことだ」と、強く主張していた。
(『ABEMA Prime』より)

