どれだけ精巧に偽造されているのか。中国の闇ビジネスに詳しいジャーナリストの周来友氏は、「偽造書類を専門に取り締まっている国際班など、そういう刑事は見てわかるが、普通の交番の警官だとバレない。(偽造書類は)海外の大学を使う。ハーバード大学やロンドン大学、トロント大学……。外国の大学(の証明書)を持ってくると『すごいね』となり、まさか偽物なんて思わない。疑っていても大学に照会するのに時間がかかる」と、海外の大学が狙われているという。
中国では20年ほど前から、こうした卒業証書偽造ビジネスが横行し始めたとされるが、これも中国の学歴社会と無縁ではない。中国の大学を卒業した、上海出身スタッフは「中国は学歴に厳しい社会だ。公務員や官僚は大卒でないと、そもそも入れない。卒業まですらも頑張ることができない人は、政治家や官僚にはうまく行けない」と話す。
中国は「どこの大学に行くかで一生が決まる」と言われるほどの超学歴社会だ。入試に失敗した人が、就職活動を有利に進めるために、SNSを通じて、偽造証書を手に入れるとみられる。
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