インフラの一角にローラ・ルーマーの存在が?

インフラの一角にローラ・ルーマーの存在が?
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 政権に属していない人物が人事にも影響を持つというアメリカの状況を、ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーター、上智大学総合グローバル学部教授で現代アメリカ政治外交が専門の前嶋和弘氏は次のように述べる。

「アメリカは未曾有の分断、拮抗があるので、共和党側はいろいろな声が必要だと思う。民主党側もそうだが。そもそも様々なトランプの応援団がいて、右腕だったり拡声器だったり、インフラが作られていて、そのうちにトランプ大統領が言いたいことを代弁する人、インフルエンサーとしてこの人が徴用されている。イーロン・マスクと同じような扱い。ここではイーロン・マスクを使い、ここではローラ・ルーマーを使い、あと、アレックス・ジョーンズも外から中にトランプ政権、あるいはトランプ営の声として中に入ったり外に入ったり、大きなインフラができていて、そのインフラの一角を確実にローラ・ルーマーが持っている」(前嶋氏、以下同)

 政権の中にも外にも影響力が強い人がいる状況はあまり聞かないが、なぜそういう状況なのか。

「ここ20年ぐらいアメリカの場合、政治インフラ、右も左も大きくなってきた。その外と中の差は大きくない。例えば、アレックス・ジョーンズは外からトランプ政権を応援している陰謀論者。ローラ・ルーマーは去年の選挙戦でも陣営とともに一緒に飛行機にいた。ただ、陣営の中には形上、入っていない」

 トランプ大統領の代わりにトランプ氏っぽいことを言う分身のような拡声器軍団。トランプ大統領はこういう軍団を拾い上げる嗅覚が優れているのか。

「それもあると思う。優れていると同時に、一種のインフラ化になっている。アメリカは日本から見るとものすごく政治的に右と左になってしまって、8月のギャラップの調査は驚く。ギャラップ全体のトランプ氏の支持率は40、支持しない人は56だが、共和党支持者93、民主党支持者1。圧倒的にトランプを応援しているところには常に燃料投下として情報を出さないといけない。そこに関しては様々なお金も入ったり、様々な産業が選挙産業になったり、政治の情報産業になったり。そのうちの一環がローラ・ルーマー」

 ルーマー氏のような拡声器集団は、今後もトランプ政権に影響を持ち続けていくと考えていいのか。

「影響を持ち続けるが、トランプ大統領がうまく使っていく。自分の情報チームの1つだと。場合によっては、ローラ・ルーマーがめんどくさくなったら消える」

 今後の外交のリスクはあるのか。

「もちろんある。この人がポロッと言ったところでもしかしたら変わっていくこともある」

(『ABEMAヒルズ』より)

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