『チ。 ―地球の運動について―』は2024年10月〜2025年3月まで放送されたテレビアニメです。15世紀のヨーロッパ某国を舞台に、地動説を証明するために自らの信念と命を懸けた者たちを描いたストーリーです。
原作は「週刊ビッグコミックスピリッツ」で魚豊(うおと)氏が連載していた同名漫画で、コミックスの累計発行部数は2025年8月時点で500万部を突破しています。
この記事では『チ。』1章の主人公であるラファウをピックアップして、プロフィールや声優情報をまとめました。
目次
- アニメ『チ。』はどんなストーリー?
- アニメ『チ。』のラファウとは?
- ラファウの声優は坂本真綾さん
- アニメ『チ。』ラファウの本当の父親は誰?
- アニメ『チ。』ラファウの名言・名ゼリフは?
- ラファウは死亡する?最後はどうなった?
- アニメ『チ。』1章と最終章のラファウは別人?
- 原作者・魚豊氏が語ったラファウについて|実在の人物がモデル?
- まとめ
アニメ『チ。』はどんなストーリー?
物語の舞台は15世紀のヨーロッパ某国。わずか12歳で大学に飛び級で進学することが決まった神童・ラファウは、異端とされている研究をしていた学者のフベルトと出会います。
フベルトは地球が自転や公転をしているという仮説・地動説を研究していましたが、世間では天動説が信じられていて、地動説を研究していることがバレてしまうと異端思想として火あぶりに処せられます。エリート学生だったラファウは、フベルトと出会って地動説を知ったことで、運命が大きく変わっていきます。
原作は2020年9月〜2022年4月まで「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた同名漫画。全4章で描かれていて、各章毎に主要キャラクターが異なります。原作コミックスは全8巻で、「第26回 手塚治虫文化賞」にてマンガ大賞を受賞、「第54回星雲賞(2023年)」ではコミック部門を受賞しました。
アニメ『チ。』のラファウとは?
ラファウは『チ。』1章の主人公で、天体観測が好きな少年です。年齢は12歳で、大学に行けるのは一握りの時代に飛び級で大学進学が決まった神童です。年齢の割に合理的な考え方をする少年で、賢くて世渡り上手ですが世間を見下している節があります。
ある時、養父のポトツキから「禁じられた研究」をして捕まっていたフベルトの身柄を引き取ってほしいとお願いされました。フベルトは地動説を研究していた罪で捕まっていたものの、改心したフリをして釈放されています。ラファウはフベルトから殺すと脅されてしまい、「禁じられた研究」に必要な星の観測を手伝うことになりました。
目が弱っていたフベルトに代わって星の観測をする最中、ラファウが「禁じられた研究」の内容について質問すると、フベルトは地球が動いているという仮説・地動説について語ります。最初は地動説をバカげた話だと感じて信じなかったラファウでしたが、次第に地動説は正しいかもしれないと思うようになり、地動説に惹かれていきました。
そんな中、ラファウが書いた地動説に関するノートを異端審問官のノヴァクに発見されて、ラファウに異端の疑いがかけられます。しかし、フベルトがノートは自分のものだと言ってラファウを庇って、持っていたネックレスをラファウに渡しました。
異端として2度捕まったフベルトは火刑になり死亡しますが、ラファウは譲り受けたネックレスをヒントにフベルトの研究資料を発見して、自らも地動説を研究することにします。
ラファウの声優は坂本真綾さん
アニメ『チ。』でラファウの声を演じたのは、坂本真綾(さかもと まあや)さん。坂本さんは8歳の頃から子役として活躍していて、現在は声優業とアーティスト業を中心に活動しながら、舞台への出演も行っています。
坂本さんが演じてきた代表的なアニメキャラクターとしては、『空の境界』両儀式役、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』真希波・マリ・イラストリアス役、『〈物語〉シリーズ』忍野忍役などがあります。
ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさんより~』で演じたジルーシャ・アボット役が好評を博して、第38回菊田一夫演劇賞を受賞。2002年4月から坂本さんがパーソナリティを務めているbayfmのラジオ番組『ビタミンM』は、放送回数が1200回(2025年8月時点)を突破する長寿番組となっています。
1996年にCDデビューして、数々のアニメ主題歌を歌唱してきました。坂本さんが歌ったアニメ主題歌としては、『カードキャプターさくら』OP主題歌「プラチナ」、『ラーゼフォン』OP主題歌「ヘミソフィア」、『マクロスF』OP主題歌「トライアングラー」、『本好きの下剋上』3期ED主題歌「言葉にできない」などがあります。
坂本さんは『チ。』がアニメ化される前から、原作漫画のファンだったことを明かしています。ラファウを演じるうえでは「彼自身の中に湧き起こる葛藤や欲求を視聴者の皆さんが一緒に体験して “知”への渇望を共有してもらえるように、序盤は特に親しみやすさを重要視して演じました」とコメントしました。
アニメ『チ。』ラファウの本当の父親は誰?
ラファウは孤児として生まれたと語っているため、本当の両親は死別している可能性があります。本人曰く、「“貧困”で“惨め”で“不憫”で“脆弱”と詰み要素満載だった」とのことです。
ポトツキはラファウの本当の父親ではなく、養父になります。
養父のポトツキとは?
ラファウの養父であるポトツキは、ラファウが通っている学校の教員です。
地動説を研究していたことによって異端としての前科がありますが、現在は改心しています。ラファウが燃やしたと思っていた地動説の計算メモを修正したのもポトツキでした。異端者として捕まっていたフベルトはポトツキの元教え子です。
異端として捕まった場合でも、1度目であればポトツキやフベルトのように改心したと認められれば釈放されますが、2度捕まった場合には即死刑となり生きたまま燃やされてしまいます。異端審問官のノヴァクはポトツキについて、改心して以降は神学に転向したり養子のラファウを引き取るなど、前科がある印象を消そうとしていると考察していました。
ポトツキはラファウが地動説を研究していることを知り、そのことをノヴァクに悟られました。ポトツキが密告せずにラファウを庇うと2度目の異端として殺されてしまうため、初犯であれば軽い罪で終えられるラファウのことを異端審問官に引き渡します。
アニメ『チ。』ラファウの名言・名ゼリフは?
ラファウが主人公として活躍した1章は、アニメ第1話〜第3話までです。原作漫画ではコミックス1巻の内容に該当します。
この項目では1章のラファウの名言をまとめました。
「世界チョレ〜〜〜」
■アニメ第1話/コミックス1巻第1話
ラファウは、大学では神学を専攻するとクラスメイト達の前で発表しました。自分達が生きているのは神のおかげなので、聖書を論理的に読み解いて信仰を深めるために神学を学ぶと伝えます。自分は人よりも能力があるのではなく幸運だっただけなので、少しでも恩を返せるようにC教信徒の役に立つ神学を選んだと言うと、教室中から拍手が送られます。
ポトツキや生徒達が褒め称える中、ラファウは心の中で「世界チョレ〜〜〜」と考えていました。
この世はバカばっかりだと思っているラファウは「合理的に生きる」という信条を持ち、孤児として生まれながらも生きるのが上手です。「合理的に生きる」という信条に従った結果、周囲からは清廉で聡明で謙虚で有力だと思われていると自己分析しています。
「この説を、美しいと、思ってしまうッ!!」
■アニメ第2話/コミックス1巻第2話
フベルトから地球が自転や公転をしているという地動説を聞いたラファウは、その説は間違っていると思うと地動説を否定しました。
その後、フベルトと別れた帰り道に足を滑らせて転んでしまったラファウは、見えていた山がひっくり返ったように錯覚します。観測者が動くなら静止した対象も動いて見えるため「…自転、…してるかも」と考えて、自宅に帰って地球が動いていると仮定した場合の図を書きました。
天動説では惑星の動きはバラバラでしたが、地動説では合理的に動いていることを記せるため「この説を、美しいと、思ってしまうッ!!」と、地動説が合っているかもしれないと考えるようになりました。
「僕の直感は、地動説を信じたい!!」
■アニメ第2話/コミックス1巻第2話
フベルトはラファウを庇ったことで燃やされて死にました。ラファウはフベルトから譲り受けたペンダントに空いている穴をヒントにして、地動説の研究資料を発見します。フベルトが残した手紙には、地動説は恐らく証明できないことや研究資料を燃やすように記されていました。
手紙を読んだラファウは一度は資料に火をつけますが、燃えている資料を見ながら「僕の直感は、地動説を信じたい!!」と思い直して、火を消そうとします。
その後、ラファウは学校を卒業することになり、友達に別れの挨拶をする中で「僕は、天文を専攻します」と告げると、教室は静まり返りました。
「宣言します。僕は、地動説を信じてます」
■アニメ第3話/コミックス1巻第4話
地動説を研究していたことで異端として捕まったラファウは、裁判所で改心の宣言と地動説に関する資料の開示などを要求されました。ラファウは成績が優秀なため、要求を受け入れた場合は大学への進学を許可すると言われて、入学許可書を渡されます。
入学許可書を受け取ったラファウは観衆の面前で紙を破りながら、「宣言します。僕は、地動説を信じてます」と発言しました。
ラファウは死亡する?最後はどうなった?
ラファウはケシの実と毒物を混ぜたものを飲んで、自殺しました。
地動説を研究していたことがバレて捕まり、地動説の資料を渡して改心するように言われたラファウでしたが、「地動説を信じてます」と宣言したことで拷問されることが決まります。拷問されて地動説の資料がある場所を伝えてしまうと燃やされてしまうため、ラファウは自ら毒物を飲んで死ぬことを選びました。
死ぬ前のラファウは、資料を焼かない方が地動説のためになると思ったと話しています。フベルトは死んで消えてしまいましたが、フベルトが教えてくれた感動は消えなかったため、「僕の命にかえてでも、この感動を生き残らす」とノヴァクに伝えています。ラファウが自殺した後、ラファウの死体は磔にされて燃やされました。
手紙の内容は?
捕まる前のラファウは、フベルトから譲り受けたペンダントを身につけているのをノヴァクに指摘されたこと、燃やしたと思った資料をポトツキに見つかったことなどから、派手に動きすぎたと感じていたため、何かあった時のためにフベルトの研究資料が収められている石箱に手紙を書いて入れました。
手紙のタイトルは「地(Ziemia)」。ラファウの死亡後、2章の主人公である代闘士のオクジーとその同僚のグラスが石箱を発見してラファウの手紙を読みます。手紙には「この星空の秘密を捧げる。尚これにより利益が生じた場合、その一割をポトツキに贈与すること。彼の協力は心強かった」と書かれていて、ポトツキの家の住所も記載されていました。
アニメ『チ。』1章と最終章のラファウは別人?
1章の最後で死亡したラファウですが、最終章(4章)でも登場しました。
最終章のラファウは、アルベルト・ブルゼフスキの家庭教師として雇われた人物です。1章のラファウは12歳でしたが、最終章に登場したラファウは青年で明らかに12歳以上でした。声優は1章と最終章で変更されることはなく、どちらも坂本真綾さんが演じています。
アニメ第1話では物語の舞台が15世紀のP王国だと記述がありますが、最終章では1468年のポーランドとのテロップがあります。ネットでは、第1章〜3章までの世界と最終章の世界は繋がっておらず、最終章だけパラレルワールドのような別の世界線の物語なのではないかと考察する人もいるようです。
最終章は、1章でラファウが死ななかった別の世界のストーリーなのか、それとも同じ世界でありながら1章のラファウとは別人なのかは、アニメでも原作漫画でも言及されていません。
最終章に登場したラファウの最後に関してですが、アルベルトの父親を殺した後、異変に気づいた村人たちに捕まりました。その後、どうなったのかアルベルトは知らないとのことです。
原作者・魚豊氏が語ったラファウについて|実在の人物がモデル?
世間や周囲を見下した発言をするラファウですが、真面目なキャラクターにしなかった理由について原作者の魚豊氏は、世渡り上手で合理的な少年の方が身近に感じて、多くの読者が感情移入してくれるのではないかと考えたと語っています。魚豊氏は、真面目なだけの人間よりもラファウのようなキャラの方が好きだと答えました。
『チ。』は15世紀のヨーロッパ某国を舞台にしたフィクションで、実話ではありません。魚豊氏はラファウにモデルがいるかと聞かれた際に、特定のモデルはいないが自分が考える器用な人というのがラファウのような人物だと答えています。
まとめ
『チ。』に登場するラファウは、1章の主人公で星の観測が好きな12歳の少年です。大学に行けるのは一握りの時代に、飛び級で大学進学が決まった神童です。異端者のフベルトと出会って地動説を知り、地動説に興味を持ちました。
アニメでラファウの声を演じているのは、声優の坂本真綾さん。坂本さんの代表作には『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』ルナマリア・ホーク役、『攻殻機動隊 ARISE』草薙素子役、『鬼滅の刃』珠世役などがあります。
(C)魚豊/小学館/チ。 ー地球の運動についてー製作委員会
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