■相談した弁護士による“二次被害”
詐欺に気づいたニースさんだが、相談先に選んだ弁護士でも、また被害に遭った。「なんとか少しでもお金を取り戻したいと思ってサイトを検索したら、ロマンス詐欺に強い弁護士のページが引っかかった。弁護士に相談したら、まずは銀行口座を凍結して、詐欺被害救済法でお金を取り戻すのと同時に、詐欺に使われた口座名義人に返還請求しようと案内された」。
弁護士側が提示してきた着手金・調査費は約70万円。「結構高かったので、3日ぐらい考えさせてくれと言ったが、詐欺被害口座はすぐに詐欺師がお金をおろしてしまうから、急がないと間に合わないと言われた」と、さらに金を工面して即日契約した。しかし契約した後、弁護士側がなかなか調査報告を出さない上に「もう相手の名義人と連絡が取れないので訴訟を起こすしかないと言われた。その訴訟費用にも40~50万円かかると言われた」ことから、別の弁護士に相談することを決意。1人目の弁護士との契約解除を勧められて解除、さらに調査費の返還要求をしたことで、なんとか一部を取り戻すことができた。
自身も過去に被害経験があり、現在は国際ロマンス詐欺被害者救済のNPO「CHARMS」の代表を務める新川てるえ氏は、急増する投資型の実態を語る。「今まで私が10年ぐらい支援をした中で1000人ぐらい話を聞いていると思うが、みなさん『自分は騙されない』と思っていたという。国際ロマンス詐欺は2000年代初頭からあるもので、コロナ禍になってから、投資詐欺がすごく増えた。今では比率が変わっていて、投資系詐欺が9割ぐらいを占める。騙された人の多くはいろいろなマインドコントロールにあっている。また投資系詐欺の方が元祖国際ロマンス詐欺よりもストーリー展開が早い」と特徴を述べていた。
(『ABEMA Prime』より)

