■地下鉄車内で爆音、ホームでバク宙…ネット上で批判殺到
ジモンさんはドイツ出身のオンラインアーティストで、2024年に30秒間で19回バク宙を行い、ギネス世界記録になった。TikTokやインスタ等の総フォロワー数は420万人超で、夢は「スーパースター」だ。日本には2025年4月16日~21日の5日間滞在し、スピーカーを持ち音楽を流しダンス・バク宙する動画を撮影・配信した。
一連の動画について、Xなどでは「周りの人がケガしたらどう責任を取るのか」「ただの迷惑行為」「日本の治安をバカにしている」といった批判から、「人にぶつからないように配慮していると思う」「楽しそうで一緒に踊りたくなる」「海外では電車内でパフォーマンスするのは普通」といった擁護まで、あらゆる声が出た。
ジモンさんの帰国直後にあたる4月22日、駐日ドイツ大使館は公式Xで「ドイツ人観光客の皆様 観光地の魅力を大切にしていくためにマナーを守り配慮ある行動をお願いいたします。地域の環境やそこに住む人々への『敬意』を忘れずに旅行を楽しみましょう」と注意喚起の投稿を行っている。
同時通訳によると、ジモンさんは「ヨーロッパの国よりもポジティブな反応だった。SNSではネガティブに炎上したが、現地での撮影時にはいい反響が多かった。日本滞在中は楽しい経験もできた」と振り返る。「視聴者に世界の景色を見せてあげたい。さまざまな文化の中で、僕のパフォーマンスにどう反応するか見せたい。ブラジルでも違う音楽をやった」。
公開後の反応については、「地下鉄での撮影は、あまり喜ばれないと、後になってわかった」として、「日本では異なるルールがあることはもちろんわかる。しばらく訪日の予定はないが、あまり喜んでいなかったため、次に行くときは他のことをやると思う」と語る。
ジモンさんの動画に対する鉄道会社の見解はどうか。ホームページや取材によると、JR東日本は「今後もマナー向上の呼びかけを継続して実施。鉄道警察隊と連携し毅然とした態度で対応していく」という姿勢で、東京メトロは「外国語含めてマナー向上の呼びかけに努めています。各車両にある『車内非常通報装置』で乗務員に知らせるか、駅係員に申し出いただければ対応します」としている。
■迷惑行為、どこからが違法?外国人を罰する難しさも
