■フリーランス歴8年目で転職活動をする当事者
フリーライターとして働く於ありささん(33)は、大学を卒業後、正社員として出版会社で編集業などに携わり、その後フリーの道へ進んだ。フリーランス歴8年目になるが、経緯について、「会社員のときに体調を崩してしまい、次の会社が見つかるまでフリーランスとして働いてみようかと思ってた」。また、当時は20代前半だったこともあり、「合わなかったら就職しよう」とフリーランスになることへの不安はなかった。
フリーランスとして働き始め、最初は理想的な働き方だと考えていたが、次第にその思いに変化が生じた。「収入が増えれば増えるほど税金が上がったり、自分のライフプランが大きく変わるタイミングで、長期的な休みを取ったときに自分の席がある保証がないことにすごい不安を感じた」。そして将来への不安を払拭すべく、転職活動を開始するも現実は甘くなく、「残念ながらどこもご縁がなく、面接したのも4社ぐらいあるが、ほとんど書類だけで落ちてしまう」と語った。
於さんは、フリーランスの不安要素として、「私ってライターしかできなくない?みたいな感じで、ずっと同じ仕事を繰り返しているのが1つある」といい、「例えば全然違うジャンルのお仕事をしたり、無茶振りされる環境はすごい恵まれてたんだと思う」。
実業家・TikTokerの岸谷蘭丸氏は、フリーランスについて「全然成長する機会がない」と断言する。「(会社は)ある程度クライアントや上司から圧力かけられて、教えてくれたり、デッドラインが絶対にあるなどの成長環境が用意されて、育てようとしてくれる。フリーランスは『これどうしたらいいんだろう?』って調べるの連続で、成長する環境がない。多分めっちゃスキルを得た後に、そこの現状維持で楽にやっていくイメージだから、自分の資産や能力が目減りしていく環境だと、10年ぐらいが賞味期限な気がしてくる」。
■「強者しかフリーランスにはなれない」
