高市氏は“振り切った演説”をした?

林氏の推薦人
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━━林氏の推薦人は無派閥9人、旧岸田派8人という結果だが。

「旧岸田派は、ざっくりいうと林さんを支持する人と小泉農水大臣を支持する人で分かれているような状態だ。その中でも、中堅・ベテランの方中心に、林さんの仕事ぶりをすごく評価している人たちが林さんを推している。おそらく林さんの営も“派閥色”を消したいと考えていたものの、現在の結果になってしまったのだろう」

━━高市早苗氏の演説の頻出ワードは「日本」が15回、女性が7回、「外国人」が7回、「憲法」が4回となったが全体的な印象はどうか?

「冒頭で大伴家持の和歌を詠み上げるという展開で驚いたが、その後は出身県でもある奈良の鹿の話や外国人観光客の話になった。全体を通して、外国人や憲法の話が多く出てくるなど、やはり保守層へのアピールの意識が強いように感じた」

━━今まで高市氏は「保守色」の強さが課題とされ、支持しづらくなっている人が多かったようだが。

「今回の演説ではけっこう“振り切っている”と私は思った。岩盤保守層と言われる高市さんをずっと支援してきているような人たちの心をしっかり掴みにいったというか、新たな層を取りにいくための演説というよりコアな支援者を自分の元に置いておくことに主眼が置かれているように感じた。実際のところは本人に聞いてみたいが、戦略として、もちろん議員票もたくさん取らないといけないし、そこが課題だとは陣営としても分かっている。実際に陣営の幹部と話をしても『保守の高市というのはもう知られている。だから今回どれだけ“ウイングの広さ”を見せられるかが課題だ』と言われていた」

━━高市氏はずっと関西弁で話されていたが戦略なのか?

「親しみやすさを出そうとしたのかもしれない。高市さんは講演などではポイントで奈良弁を入れてきていた。聞いている側の気持ちをふわっと(リラックス)させる狙いがあるのだろう」
 

小泉氏からは「余裕すら感じられた」
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