■政治家に英語力は必要?
ひろゆき氏は、安倍晋三元総理とアメリカ・トランプ大統領との関係性を例に、英語でコミュニケーションを取る重要性を説く。もちろん総理となれば外交時にはもれなく通訳が同行するが「G7とかになると、写真撮影の時に結構雑談しているが、その中で日本人だけポツンとしている。トランプ大統領は、仲のいい人と話を進めてしまうので、なんとしても仲良くなろうとした方がいい。安倍総理は一生懸命にトランプとゴルフをした。政治家にゴルフは必要ではないかもしれないが、誰かと仲良くなるために必要だった」と、親密度を高めるために、少しでも話すことの必要性を示した。
たとえ流暢でなくても、今後さらなるグローバル化が求められる日本や日本人は英語を使えるべきだとするのが、近畿大学情報学研究所所長・夏野剛氏だ。「今、日本は縮小していてグローバル化は必須。その中でビジネスや政治の現場で英語ができないのは致命的だと思う。やはり接近度が違う。日本人にとって英語で議論するのがハンディになるのであれば、習得すればいいと思う」。
日本では「英語を話す」というと、ネイティブレベルでなければ認められないような風潮もある中、夏野氏はそこまでの英語力は必要ないともいう。「ヨーロッパで会議をしたら全員が英語でコミュニケーションする。細かいニュアンスの違いも言い間違いも、みんな気にしない。逆にアメリカ人、イギリス人は話すのが速すぎて、むしろ(ノンネイティブの)みんながついていけていないくらいだ。UKイングリッシュ、USイングリッシュとグローバルイングリッシュは違うし、日本人は流暢に話さなければいけないと思いすぎている」。
夏野氏が指摘するように、日本人には「英語コンプレックス」のようなものが存在する。過去には小泉進次郎農水大臣や国民民主党・玉木雄一郎代表が、英語で話した内容が誤りではないかと物議を醸したこともあった。またトランプ氏とウクライナ・ゼレンスキー大統領の対談では、英語の通訳を入れずに話し、感情の高ぶりも相まってゼレンスキー氏がトランプ氏の怒りを買ったと問題視もされた。
日本では、間違えて問題になるくらいであれば最初から英語を使わない、もしくは使うならネイティブレベルになってからようやく使える、というイメージが強くなっている。ひろゆき氏は「間違って伝わってしまったら直せばいいだけ。ごめん、ごめんと言い直せばいい。人のコミュニケーションで、100%正しい同士なんてことはほぼない。それよりも人格を伝えるかどうかだ」と、少々の間違いは恐れず使うべきだと加えた。
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