■初の女性総理へ
政治ジャーナリストの岩田明子氏は、勝因について「党員票が圧倒的に強かった。以前の総裁選では、党員票で勝った候補を、国会議員票で覆しても『これが政局だ』と言える余裕があった。しかし少数与党になり、参院選を『民意と向き合ってなかった』と総括した直後の総裁選だったため、『党員票を無視できない』という議員心理が強く働いた」と分析する。
今回の総裁選では、麻生太郎最高顧問の影響力が強く働いたとされる。小泉進次郎農水大臣を支持した平将明デジタル大臣は、「他の派閥は解消したが、麻生派は完全に残っている。こそこそ会う必要もなく、合宿までやる。麻生氏の力に加えて、茂木敏充前幹事長との人間関係もあった。私は『麻生氏に影響力はない』と言ったが、ものすごい影響力があった」と語る。
個人のスタンスについては「小泉氏に投票したが、今回は閣僚のため、どこの陣営にも入っていない」しつつ、「最近の主流は、決選投票に重きを置いて、1回目の投票で2位までに入る戦略だ。“塊”を持っていないとコントロールできず、その戦略をとれない」と説明する。
平氏もかつて派閥(山崎派)に属していた。「付いていく親分が、どれだけ適切な判断をするか。構成員にポストなどで報いることができるかが重要だった。しかし自民党は派閥をなくして、新しいガバナンスの仕組みを入れようとしていた。その中で(派閥の論理が)機能して、『だったら派閥はあった方がいい』となると、本当にそれでいいのか考えなければいけない」。
■「高市氏は勉強量もすごいし、政策能力も高い」
