【WRC世界ラリー選手権】第12戦 セントラル・ヨーロピアン・ラリー
WRC(世界ラリー選手権)の第12戦がドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国を舞台に19日まで開催され、日本人ドライバーの勝田貴元が出色の走りで見せ場を作り、ファンを驚喜させた。
今季もトヨタから参戦する勝田は現在ポイントランキング6位。次戦はホームのラリー・ジャパン。第9戦ラリー・フィンランド以来、今季3度目の表彰台獲得に期待も高まっている。果たして今大会では、競技初日デイ1が4位、デイ2を5位とじわじわ調子を上げているようにも見えた。そして迎えたデイ3のSS12、勝田の出走前時点で暫定トップは、昨季チャンピオンドライバーのティエリー・ヌービル。勝田はステージ冒頭から全開で攻め続け、ヌービルの暫定トップタイムを次々に塗り替えていった。
しかしステージ後半はひらけた草原のなかの農道を走るエリアで、道幅が細く、時おり木立もあって視界も悪い。さらに、路面が若干濡れていて滑りやすかったが、勝田はギリギリまで攻めてプッシュし続ける。アタック中、視聴者から「アウト側お客さん居るの怖い」「こっわ」とコメントも見られるなど、沿道に立っているギャラリーに接近する場面でも、鬼気迫るスピード感で圧巻のコーナリングを披露していった。
長いステージを最後まで攻め続け、最終的なタイムこそヌービルに届かなかったが、わずか0.6秒差でフィニッシュ。シーズン終盤にきて、渾身の走りを見せた勝田。今大会を総合4位で終え、次戦はいよいよ凱旋ラリー。日本人が心躍る走りを期待したい。(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
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