しかし、現在のハイキックを試してもらうと、脚の高さは永見探偵の腰ぐらいまでしか上がらない。師範が目標とするのは、昔のように自分の背より高く蹴る、つまり「永見の顔」直撃である。師範は、足を上げると痛みが走り、蹴ろうとするとバランスが取れない状態だと明かした。

 そこで、永見探偵は、鍼灸整骨院の先生と、全日本実業団空手のマスターズチャンピオンの2名の専門家を招いた。専門家によると、師範の体の力は入りにくい部分があり、頭からの神経の伝達信号がうまく伝わっていない可能性があるという。

次のページ