元チアリーダー&ダンサー出身で、そのルックスからファンの支持を受けてきたマキシンだが、キャリア3年目で伸び悩み、岐路に立たされていた。しかし、WWE女子の重鎮で名コーチとして知られるナタリアとの秘密特訓で力をつけ、前回の「RAW」でベッキーからリングアウト勝ちを奪う大金星。ベッキーも嘲笑してきた相手に不覚を取ったことにナーバスとなり、タイトル戦に合意。マキシンの地元サクラメントでのタイトルマッチが実現した。
地元アリーナの熱気がマキシンのオーラを倍増させ、初のタイトル戴冠への後押しとなる中、試合はベッキーの支配で始まった。中盤のサブミッションでの攻防では、相手の攻めをカウンターで次々と返し、「This is Awesome(スゲー試合だ)」のチャントが響く。
この日のマキシンは、ハードヒットのエルボー合戦でも長い髪を振り乱し、荒ぶる王者と互角の戦いを展開。ベッキーのフィニッシャー“マンハンドル・スラム”を回避し、長い脚から放つハイキック。キックアウトされると、間髪入れずアンクルロック。ベッキーのサブミッションもブリッジで軽々と返し、回転しながら再びアンクルロックを極めた。
ABEMAのWWE実況・清野茂樹アナウンサーも「こんな返し方がある、確実に成長しています!」と興奮気味の実況。ベッキーの雪崩式スーパープレックスもトップロープ上で振りほどいて回避し、華麗な“クロスボディ”を炸裂させるなど、タイトル奪取まであと一歩という場面で、手負いの王者が暴挙に出た。
リング下へ命からがらエスケープしたベッキーは、自身の女子IC王座のベルトを手に取り、何やら怪しい動き。マキシンは警戒しつつローリングクラッチで反撃するも、ギリギリのキックアウト。ベルトを持ったベッキーが背後からマキシンを殴打し、犯行の瞬間に“反則負け”が宣告されると、ファンからは「あーやっちまったベッキー」「わざと負けた」と失望の声が上がった。
明らかに敗北を悟り、自ら“反則負け”を選んだ卑怯な手段。しかし、反則負けの場合はベルト移動がない。この理不尽な裁定とルールの穴を突いた狡猾でなりふり構わぬヒールぶりに、ファンからは「反則防衛」「反則じゃタイトル移動しない」「まじでおかしなルールだよな…」「このルールやめなよ」と失望の声が相次いだ。
ABEMAの解説・もりおも「マキシンがここまでベッキー・リンチを追い込んだということ。しかもピンフォールではないとはいえ2連勝ですよ」と、その戦いぶりを称える。一方で、地元サクラメントのファンはここ最近では最も大きなブーイングを浴びせた。ネット上でも「マキシンの後頭部直撃がヤバい!ベッキーの目が本気の狂気だ」「ベルトで失神寸前、でもマキシンが耐えた!次は復讐のピンフォールだ!」と、再戦への期待が高まっている。
数カ月前には全く期待されていなかった劣等生だったマキシンだが、突然の覚醒ともいえる進化を見せた。一方のベッキーは、この暴挙で再戦を避けられない状況に追い込まれた。(ABEMA/WWE『RAW』)
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