「20秒」で何ができるか?
━━今回は観測地点が増えたことで、場所によっては緊急地震速報が最大20秒早く届くようになったということか?
「その通りだ。南海トラフの震源域は駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界とされるような場所だが、これまでその一部に地震計がなかった。この図の『沖合システム』の白い点がそれぞれ海底に設置された地震計を含む観測装置だ。これにより、陸上の人は『これから地震が来る』とわかるようになった」
━━「沿岸システム」はまだ完成していないのか?
「この観測網を今回設置したのは防災科学技術研究所であり、観測網自体は出来上がっており『N-net』という。だが気象庁としては、緊急地震速報に使うために非常に高いデータ精度がい求められるため、様々なことを確認する必要がある。そのため今回、まずは沖合システムからデータの精度を確認した上で、今後は沿岸システムの利用も考えていく」
━━我々は「20秒」で何ができるだろうか?
「やはり怪我をしないための行動が一番だろう。気象庁も元々緊急地震速報については、『発表されてから強い揺れが襲ってくるまでわずか数秒から数十秒しかないため、緊急地震速報を聞いてから取るべき行動を考えていたのでは間に合わない』と避難行動を事前に決めておくことの重要性を強調している。他にも、扉が閉まってしまっている場合は、扉を開けて逃げ道を確保することも重要だろう。消防庁も地震があった場合は『頭を保護できる丈夫な机の下などに避難して、慌てて外に飛び出さない』としている。とにかく慌てずに、パニック行動を起こさず、気持ちを落ち着ける時間にはなるだろう」
(ニュース企画/ABEMA)

