では、なぜ家に居座ったクマの捕獲に、6日間も要したのか。ヒグマハンターである北海道猟友会砂川支部長の池上治男氏は、「家の中に入ってしまった状態で緊急銃猟となれば、銃の種類にもよるが、散弾銃でバラ弾を使うと家の中に(弾が)散る。そうすると建物に被害がないことはまずない」と解説する。

 また、「家の中どこから出てくるかわからない。クマもパニックになって隠れている状態。しかも4人襲われている。ハンターといえども危険が伴う。銃があれば安全かというと、それはまったく違う。襲ってくるクマに対して銃を撃つこともできない。そういうチャンスがなければただの棒だ。『銃を持ってさえいれば安全』というのはまったく違う」と語った。

 今回の被害を受けて、現場周辺では自動ドアを手動にするなど、クマが侵入しないようあらゆる場所で対策が取られた。近隣住民は「駆除するハンターもあまりいないと聞いている。大変だなあ」と嘆く。

クマ捕獲後の現地の様子は…
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