■対トランプは対等でなくてもいい?
大事な日米首脳会談を無事乗り切ったという見方が強い中でも「やりすぎ」「はしゃぎすぎ」という声はある。カルモニー代表・岩澤直美氏は「媚びを売らず、対等な日本を見せられたらいいなと願ってはいたが、やはりトランプ大統領の機嫌を損ねず、嫌われるより好かれる方がいいというスタンスで乗り切るしかなかった」とコメント。「トランプ大統領がエスコートする場面もあり、高市総理が出されている腕に手を添えて階段を降りたりもした。他の首相の場合、はねのける事例も過去にあったようだが、やはり機嫌を損ねてしまうので、難しかっただろう。跳ねのけたりせず、結果的によかった」とも複雑な思いを明かした。
またパックンは、高市・トランプによる初の首脳会談から、かなり“プレゼント”を渡しすぎではないかという指摘もあった。「高市新総理はトランプとの仲の良さをアピールしたかったし、トランプにこれという課題やミッションがあって来たわけではないから、トランプにとっては楽しい日本旅行だったろう。ただ、これから厳しい交渉があるはずなのに、多くの手土産を渡している。防衛費の増額の前倒しだったり、(80兆円規模の対米)投資だったり。逆にトランプから返ってきたものはなんだろう。冒頭から対等な付き合いに見えないのはいいのか。日本はもう少し強く出てもよかったのではないか」。
ただ、ひろゆき氏はトランプ氏の在任期間中は、今回のような外交で乗り切るべきだと提案する。「今後の交渉にトランプさんは出てこなくて、官僚ベースでやると思う。いかに空手形でごまかし、官僚が頑張るかだ。アメリカに何か言って、トランプ大統領が機嫌を悪くしたら、突然何が起こるかわからない。株価が半分になってもおかしくないようなことを、あの人は言う。それに比べたら(交渉で)何ももらえなかったとしても、上機嫌で帰っていただくということはヨーロッパでもやっているし、下手なことはやらない方がいい」。
また、他国にかけたプレッシャーを見ても、気を遣って損はないと続ける。「トランプ大統領も、見せしめを作りたい部分はどこかにあると思う。先進国であっても、歯向かったらつぶすぞ、といったようなことだ。それをカナダに対して始めた。これをヨーロッパや日本がやられると、本当にやばい可能性がある。中国、台湾などの問題もあるので(トランプ氏の)2029年の任期終了まで、ひたすら頭を下げて頑張っていただきたい」。
日米首脳会談という大きなヤマを1つ越えたばかりだが、高市氏は31日に中国・習近平国家主席と、初の日中首脳会談を控えている。前日には米中による首脳会談もあり、この内容を受けてからという難しい立場になる。トランプ氏とはうまく付き合ったが、習近平氏とはどう付き合うべきか。
ひろゆき氏は、また違ったアプローチが必要だと語る。「これは僕の偏見かもしれないが、トランプ大統領には媚びが通じるが、アジアの場合は媚びよりも信頼できる、強さがある方が信用される。むしろ下からいくと舐められると思う。中国ともすごく仲良くしなければいけないが、中国に信頼される演出という面では、トランプ大統領向けとは違う演出が必要。そこは高市さんと官僚に頑張ってもらいたい」と期待した。
(『ABEMA Prime』より)

