互いに譲らない拮抗した展開は終盤30秒で空気が一変。右ストレートで相手の身体が“カクッ”と沈むも…ぐっと四股を踏むように回避する”あわや”のシーンに「倒せただろ」「ダウンだろ今の」と熱のこもったコメントが相次いだ。
10月25日、後楽園ホールで開催された「Krush.181」で行われたSeiya(POWER OF DREAM)と龍之介(K-1 GYM BLOWS)の対戦は、試合終盤の“ダウン・スレスレ”の攻防が勝負を分け、Seiyaが判定勝ちを収めた。
現在28歳のSeiyaは、POWER OF DREAMへのジム移籍を経て3連勝中。一方の龍之介は、前戦で元Krush王者・瓦田脩二を下して勢いに乗っており、Krushライト級戦線の今後を占う一戦となった。
1ラウンドは身長で7センチ、リーチでも優位に立つ龍之介が前に出て主導権を握る。左右ボディブローを中心にプレッシャーをかけ、Seiyaは下がりながら左右ローと左ミドルで距離を取る展開。ロープ際の攻防では龍之介のワンツーが冴え、序盤は龍之介がわずかに流れをつかんだ。
2ラウンドも龍之介がアッパー、ストレート、カーフキックや三日月蹴りを織り交ぜながら前に出続ける。しかし終盤、Seiyaがローとミドルを打ち返し、再び距離を整えながら反撃の姿勢を見せる。流れは均衡したまま、試合は最終ラウンドへ。
勝負が動いたのは3ラウンド終盤、残り30秒の場面。龍之介が左ジャブから前へ圧を強めた瞬間、Seiyaが右ストレートを振り抜いてクリーンヒット。龍之介は一瞬“カクッ”と沈みかけるが…四股を踏むような体勢で持ち直してダウンを回避。
あと一歩で仕留められるかというニアダウンの場面に、ABEMA中継の解説・卜部弘嵩は「ああ、チャンスなのに…」と惜しむ一言。Krushプロデューサー・宮田充も「(Seiyaは)だめだめ、行かないと」と追撃に出なかった点を指摘。
ファンの間でも「倒せただろ」「仕留めろよ」や、龍之介が一瞬マットに手をつきかけたように見えたことから「ダウンだろ今の」「レフェリー、ダウンとれや」「ダウンでもおかしくない」と熱のこもった反応が多く見られた。
判定は30-29、29-29、30-29でSeiyaが勝利。終了間際の決定打が評価につながり、これでSeiyaは移籍後4連勝を記録した。龍之介は試合前半での構築力と粘りの反撃を見せたものの、終盤の一撃が勝敗を分けた。“四股踏みノーダウン”を評価したドロー判定を含む、わずか1ポイント差の大接戦だった。
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