では実際、クマ出没とメガソーラー建設に相関はあるのか。エネルギーアナリストの大場紀章氏は「私が調べた限りにおいて、全く影響がないとも言い切れないが、クマが出没している地域の近隣でメガソーラー開発が確認されている例はほぼない。あるとしても、かなり昔に作ったもので最近の(クマ出没の)増加との因果関係を示すことは難しい。メガソーラー開発がされた森林あたりでクマ出没が増えたという例がない」と述べた。
山に関する著書もある情報キュレーターの佐々木俊尚氏も、2つの因果関係は見えないという。「エビデンスが出ている話は1つもない。少なくとも言えるのは、メガソーラーが作られているところは杉林が多い。要するに林道がちゃんとあって、そこからソーラーパネルを設置する。杉林にはクマは住んでいない。クマはブナ林や日本古来の広葉樹林帯に住んでいる。そこにメガソーラーが設置されているケースは少ないはず」と否定的だった。
また政策アナリストで元経産官僚の石川和男氏も「今はたまたま『太陽光反対』となっている。これは太陽光が問題になっていなければ、誰も(クマの出没原因だと)言わない。ゴルフ場を開発しても、それによってクマが出るとは誰も言わないようなもの。ゴルフ場のせいで人が食われたなんて聞いたことがない。原子力発電所が反対された時と同じだ」と述べていた。
(『ABEMA Prime』より)
