11月3日(月・祝)GLION ARENA KOBEで開催されたRIZIN LANDMARK 12 in KOBEにて、桜庭大世が宇佐美正パトリックと対戦。父・桜庭和志を彷彿させる鮮やかな寝技を披露し、膝十字固めで一本勝ちを収めた。
かつて“IQレスラー”としてPRIDEのリングで活躍し、総合格闘技の歴史に名を刻んだレジェンド桜庭和志を父に持つ大世。昨年大晦日の矢地祐介戦でプロデビューすると、蹴り足を取られた状態からの左ストレートでKO勝ちするというビッグインパクトを残した。
続くプロ2戦目、今年5月のRIZIN男祭りでは寝技を得意とする中村大介と対戦。中村と激しい寝技の攻防を繰り広げるも、最後は中村の腕十字で一本負けを喫した。
1勝1敗で迎えたプロ3戦目の対戦相手は宇佐美正パトリック。アマチュアボクシング出身で、MMAでも12戦8勝4敗の成績を残しているライト級の実力者で、大世の実力が“ホンモノ”かどうか。まさにその真価が問われる一戦だった。
いざ試合が始まるとサウスポーの大世は左の蹴りと低空の片足タックルを交えながら試合を進め、2Rには宇佐美にバックを取らせながらアームロックを狙う、いわゆる“桜庭ロック”も披露。3Rに両足タックルでテイクダウンを奪って寝技に持ち込むと膝十字を極めて宇佐美からギブアップを奪った。
父が得意にしている膝十字での一本勝ちはデビュー戦に続くインパクトを残す結果となったが、この試合の勝負のポイントは大世の打撃だった。
大世はサウスポーから繰り出すリーチを活かした左ミドルとインローを蹴り分け、時折、左のロングフックなどパンチの強打も織り交ぜることで、自分の間合いと距離をキープ。コンパクトなパンチを得意にしている宇佐美に対して、パンチを打たせる距離を作らせなかった。
PRIDE時代の桜庭和志も鮮やかな寝技と関節技で会場を沸かせてきたが、実は左ミドルを軸にした打撃の距離感が抜群で、自分の間合いやタイミングで入るタックルから寝技に持ち込むことを得意にしていた。
「打撃の先生から蹴りが強いと言ってもらえるので、自分の得意なものを出すという意味で蹴っていこうと思いました。打撃もどんどん出せば寝技により入りやすくなると思っていたので、上手く組に行けたと思います」(大世)
関節技による一本勝ちというフィニッシュだけでなく、そこに至るまでに打撃でペースを掴むところも父とそっくりだった大世。まさに“令和のIQレスラー”誕生を思わせる宇佐美正パトリック戦だったといえる。
©︎RIZIN FF
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