キックボクシングフェザー級、実力者同士の一戦で突然、ギブアップをアピールして対戦相手に背中を向ける前代未聞の“ギブアップ”KO劇が発生。驚きの光景に「あーー!自ら」と実況は絶叫。「初めて見ました」と放送席の識者を“あ然”とさせた。
11月2日、両国国技館で開催された「RISE WORLD SERIES 2025 FINAL」。原口健飛(FASCINATE FIGHT TEAM)とペトル・モラリ(モルドバ)の対戦は、立ち技の試合では異例の“ギブアップ”による決着となった。原口の執拗な三日月蹴り地獄にモラリが突如、白旗。1ラウンド2分52秒という圧巻KOでフェザー級トーナメントベスト8進出を果たした。
「GLORY×RISE LASTフェザー級(65kg以下)STANDING TOURNAMENT」の第1試合で、“RISEの先鋒”原口が衝撃のKO劇を演じた。前回8月のチャド・コリンズ戦で惜敗した原口にとっては、復帰への重圧と再起の意味を持つ重要な一戦。相手のモラリは国際大会で数々の王者を破り、WKU世界-65kg王者として参戦。これまで伊藤澄哉戦(判定勝利)や実方拓海戦(判定敗北)など、RISEでもトップ選手たちとの接戦を繰り広げてきた実力派だ。
試合はかつてないほど原口による三日月蹴りの集中砲火。おびただしい数の蹴りをボディに被弾したモラリの心を完全にへし折った。1ラウンドから原口が距離を詰め、鋭い左インローを連発。原口の蹴りを嫌うモラリが慎重に距離を潰しにかかるが、一歩引いた遠距離から得意の三日月蹴り。若干のディレイのあと、モラリが「うっ」と腹を抑え顔をしかめ、スタンディングダウンを喫した。
コーナー際で息を整えポーカーフェイスを装うモラリだが、ダメージを隠しきれず目が泳いでいる。再開後、お返しのミドルキックで反撃を試みるも、再び左の三日月蹴りがボディに刺さるとコーナーで動きがピタリと止まり、パンチの連打に蹴りを浴び、完全に人間サンドバッグ状態に。
サークリングしてなんとか逃れようとするモラリだが、原口の容赦ない三日月蹴りの集中砲火にガードは下がり、耐えきれず腰から落ちてしまい2度目のダウン。ボディが効いてロープに寄りかかるように俯く姿に、ファンから「三日月責め」「止めてあげて」「完全に入ったな」「もうやる気なくなるだろ」と声が上がる。
しかしモラリも意地を見せた。ダメージの蓄積は明らかだがポーカーフェイスを貫きリングへ。一か八かのバックブローが空を切ると、さらにボディへの三日月地獄。コツコツと正確に左・右・左・右と腹へと蹴りを突き刺すとモラリの腹筋に真っ赤なアザのようなものが浮き上がる痛々しい状態。1ラウンド残り10秒、耐えれば次ラウンドという場面で、再びボディへの三日月蹴りが刺さった瞬間にモラリはスッと右手を挙げて「ギブアップします」と宣言した。
ABEMA中継のゲスト・那須川龍心は「初めて見ましたギブアップ」と驚いた様子。ファンも立ち技での異例のギブアップに「初めて見た」「強すぎるって」「俺も初めて見た」「おもろいギブw」「ギブアップってあるの?」と騒然となる。実況で中継に長年携わる小出アキラ・アナウンサーも「なかなか実況の立場としても言ったことがない。タオルが投げられる前に自ら(ギブアップ)ですからね…」と、極めて珍しいフィニッシュに言及した。
スローリプレイでも、何度も同じ腹への蹴りが入る場面が映し出され、モラリは下がりながら手を挙げて迷わず「ギブアップ!」と宣言して背中を見せる。最後は戦意喪失というより、どうにもならない状況からの“勇気ある撤退”。あまりの潔さに、ファンからは「ギブアップの仕草がカッコよくて草」と意外な声も聞こえた。
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