■騒ぐ長男に「顔も見たくない」「お母さん、やめるね」

ツマ
拡大する

 漫画家のツマ子さんには、9歳の長男と、7歳の双子の娘がいる。長男が3歳の時、いわゆる「イヤイヤ期」に入り、しかも1歳だった双子の娘の面倒も見るワンオペ育児。自身が忙しい時に長男が構ってくれと騒ぎ、全力で相手をしても「ママじゃダメ」と言われた。次第に心が疲弊し、ついには長男に「嫌い 顔も見たくない」「お母さん やめるね」と伝えるところまで追い込まれた。実際に育児を放棄したわけではないが、児童相談所に相談に行くまで、つらい時期が続いた。

 当時を振り返るツマ子さんは「どう対処していいのかわからないことが多かった。児童相談所の相談員さんに聞いたら、それまで張り詰めていた気持ちが明るくなった。息子に対してもネガティブなことを思わなくなって、気持ちに余裕ができたと思う」。長男に母親をやめると伝えた時は大泣きされたが、それでも「その姿を見ても、私は抱きしめてあげることができなかった」と明かす。

 相談員に悩みを打ち明ける以外にも、今では月に2回「お母さんをお休みする日」を作り、リフレッシュをして育児に励んでいるという。「育児ってこんなもんだと、学びにもなった。結構思い詰めていて、長男が幼稚園でうまく生活できるよう、友だちを傷つけずに優しくあってほしいとか、そういう親心が張り詰めていた。ある程度『もういいか』という精神でやったらいいと言われて乗り越えられた」。

■「一緒に住みたくない」距離を置いた後に関係が良化
この記事の写真をみる(5枚)