■“訳あり人”を支援も 周囲の受け入れには複雑な思い
キリオさんは2023年、「YOTSUBAワケアリ人生の相談所」を開設。自身の体験を元に、刑事事件を起こし懲戒解雇された人、社内で問題を起こし自主退職を余儀なくされた人たちの就職支援活動を行っている。企業の探し方や面接の受け方、過去の伝え方などをオンラインで一人ひとりサポートし、約400人の相談・支援に携わってきた。
立ち上げの経緯として、「逮捕されたけれども刑務所に行かなかった、罰金や不起訴で終わったようなケースは、“あとは自分でなんとかしてください”という世界。しかし、そこに対するアプローチは今のところない」と投げかける。
ただ、周囲の受け入れについては、複雑な思いも。「罪を償ってもやってしまった過去は消せず、当事者は当然その責任や代償を背負うべき。あるがままを受け入れてもらうのは難しい側面もある」と考えている。
その上で、キリオさんは“就職活動で伝えるポイント”を3つ語る。(1)やみくもに応募するのはご法度で、どの業種を目指すか目標を明確に。(2)罪悪感で自己否定し続けると自信が無くなるので、「自分の強み」を知り、自分を好きになること。(3)「すべて自分に非がある」「しっかり反省し二度と過ちを犯さない」「経験を経て自分を見つめ直す」「新しい人生目標が見つかった。それが御社で活躍し社会貢献すること」など、面接では反省も含めて伝えることだ。
最後に、キリオさんは「残念ながら、問題や事件を起こす方は今後も出てくると思う。ただ、全員が死刑などになるわけはなく、どこかのタイミングで社会に戻ってくる。その後に拒絶され続けると、自ら命を絶ったり再犯をする、不幸な社会につながってしまう。“やり直せる社会”“受け入れてほしい”とまでは言わないが、“そういう人がいる”ということを少しでも知るきっかけになってほしい」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)
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