■高額カードは世界的なオークションにも出品

高額のポケカも
拡大する

 今や大規模な窃盗グループのターゲットにされるまで価値が高まったといわれるトレカ。現在でもカードショップはプレーヤーが売買だけでなく、実際にプレーする場にもなっており、テナントの1階に入るケースも多かった。ただこれが窃盗する側にすれば好都合。セキュリティレベルの低さを突いて店内に侵入し、ガラスのショーケースなどを破壊して高額カードを狙って盗んでいく事件が相次いでいる。ポケカでは昨年9月、世界に39枚しかないレアカード(ポケモンイラストレーター)が世界的有名なオークション・サザビーズに出品され、36万ドル(約5160万円)で落札。同名のカードは2021年、527万5000ドル(約5.8億円)で取り引きされ、「最も高額なポケカ」としてギネス記録にもなった。

 ポケカの価値に目をつけたレ坊さんは、商品を安く仕入れて高く売ることで差額の利益を得る「せどり」という手法で、どんどんと収益を増やしていった。「時代の流れで、オンラインの個人間やり取りがすごく活発になっている。スマホやメルカリで簡単に売買できる。またPSA(アメリカのカード鑑定会社)による鑑定で信用がついたり、パックを開封するショート動画をいろいろな人が見たりして、ポケカブームが一気に広まり、価値も上がっている」と説明した。

 カードゲームともなれば、ゲームに勝つために強いカード、もしくは新しいバージョンに対応した新カードに価値があると思われがちだが、実際の市場はあくまで「レア度」で値がついている。「生産されなくなる、プレーで使えなくなると価値が下がると思われがちだが、実はそうではない。公式が販売しなくなるとそこでコレクション性、希少性が上がってさらに価値が上がる」。レ坊さん自身、今後価値が上がることを見越して大量のカードを仕入れており、その額は「数千万円にはなる」とも語る。

 高額カードを自宅に大量に保管しているのではなく、これらもPSAに依頼すれば「資産管理」として保管してくれるという。「私は今35歳だが、将来を見据えた時に積立NISAなど、資産運用をすべきか迷うことが多かった。その中でポケカは買って置いておけるし、絵画のように眺めてもいられる。そんな資産運用の一つとして選ばれてもいる」と投資対象として、マーケットが成立している事情を語った。

■ポケカ「ハッピーセット」で物議も、関係者にはビッグチャンスだった
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