東大教授が「子ども1人あたり2万円」を分析

山口慎太郎教授/月岡ツキ氏
拡大する

 さまざまな声が上がっている中、子育て支援策に詳しい東京大学 経済学部の山口慎太郎教授は以下のように語る。

「少子化対策として出生数を押し上げる効果はあまり期待できないが、物価高の中で子どもの生活を下支えする政策としては一定の意義がある。その理由は、研究からも子ども時代に経済的な困窮を経験すると、心身の健康や学力、将来の所得などに長期的な悪影響が残ることがわかっており、現金給付によっていまの生活を安定させることは、子どもの発達を守るという観点から優先度が高い」(山口慎太郎教授、以下同)

 「本当に困っている人だけ助ければ良いのでは」という声もあるようだが、山口教授は「所得制限を設けない判断は妥当」だと主張する。

「給付段階で切り分けるのではなく所得税や社会保険料などを通じて、より多く負担してもらう形で調整する方が、公平かつ効率的だと考える」

 今回の政策や子育て支援について、月岡氏は以下のように見解を示す。

「もらえる家庭ともらえない家庭の不平等感みたいなところで言うと、子どもを育てていない家庭からは、『また子持ち様かよ』などと言う人もいるため、不公平感のようなところはどちらにしても生まれてしまうのだろうという気はする」(月岡ツキ氏)

(『わたしとニュース』より)

この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(6枚)