——『ゴールデンカムイ』らしいコメディタッチのシーンですよね。【後編】はアシㇼパが鶴見中尉と対峙するシーンは緊張感があったと思いますが、いかがでしたか?
白石:原作で対峙するシーンを読ませていただいたときから、この日が来るのが怖いと思っていて。
小林:そうだよね。
白石:ある意味構えていたところはあったので、いよいよ来たなという感じで緊張しながらアフレコに向かったのですが……。
(鶴見中尉役の大塚)芳忠さんから出てくる異様な空気というのが、隣のマイク前に立っていても感じられて。殺気とも違う、静かな怒りや哀しみ、狂気も含めたいろいろな感情が入り乱れていて、でもすべてが見えてくるわけじゃないオーラみたいなものをひしひしと感じていました。
——『ゴールデンカムイ』の物語の根幹とも呼べる部分に迫る、名シーンですよね。
白石:そこまでみなさんと一緒に作り上げてきたものがあったからこそ、辿り着いた先の答えみたいだったので。アシㇼパさんがあの状況に置かれたときって、ソフィアと2人横並びにいたけれど、心の中に杉元と白石の存在もあったので、どこか心強さみたいなものを私自身アフレコのときには感じていました。
——アシㇼパのもとに駆けつけようとする杉元と白石は、逆にコメディリリーフ的なところが多かったと言いますか(笑)。
小林:そこがまた『ゴールデンカムイ』らしさですよね。シリアスに振り切らない。
——白石的には海賊房太郎とのやりとりも見どころですよね。
伊藤:久しぶりに網走のシーンが入って、その頃から付き合いのあった房太郎とのやりとりで、キャラクターのバックボーンも見えてきて。
小林:二瓶も出ていましたもんね。
伊藤:房太郎の白石に対するセリフに、白石が茶化さずにストレートに返していく会話の流れが僕の中ですごく新鮮だったんですよね。房太郎から受け取った言葉を包み隠さずに杉元とアシㇼパに託していくという立ち位置と決意が固まった、そんな瞬間だったなと。
8年間にわたって描かれてきた長編の物語が、最終章でどんな結末を迎えるのか。劇場のスクリーンで描かれるアニメ『ゴールデンカムイ』の山場をお見逃しなく。
劇場先行版『ゴールデンカムイ』札幌ビール工場編
【前編】&【後編】大ヒット公開中
配給:WOWOW
(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
取材・撮影・テキスト/kato
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