■違法マッサージ店での売春行為…背景は?
東南アジアを中心に人身売買の実情を取材してきたフリージャーナリストの泰梨沙子氏は、今回の事件の店舗について、「一見、普通のアジア系マッサージ店だ。しかし、実態としては性的サービスも提供されていた」と話す。
多くの人身売買の実情を取材してきた泰氏にとって、「今1番懸念してるのは個室マッサージ店」だといい、「今回のマッサージ店もそうだが、一般の居住用マンションの一室で違法風俗が行われている。実は全国各地の北海道から沖縄まで400人以上が在籍しているようなウェブサイトもある。パスワードを入力しないと見れないような闇サイトだが、在籍してる400人以上のうち、ほとんどがタイ人だ」と説明。
なぜタイ人が多いのか。「観光目的の入国であれば約2週間、ビザが免除されるが、彼女たちは観光客を装って日本に入国している。2週間稼いで他の国に行ったり、今回の母親も台湾の方に行ったと報道されているが、彼女のような例は決して珍しくない」と答える。
「バンコクは非常に発展し、富裕層もたくさんいるが、性風俗従事者は、ほとんどが東北部や北部、山岳地帯、農村地帯の女性たちがやっていることが多い。人権団体によると、その8割がシングルマザーと言われている。タイの伝統的な価値観として、自分自身を犠牲にしてでも家族のために尽くす。両親のために何かをすることが美徳とされている。彼女たちもシングルマザーで、子供を養いつつ、さらには両親、親戚まで養っていることが非常に多い」と述べた。
■「買春だけを刑法判断にすれば全て収まる話ではない」
