【写真・画像】夫が余命半年も本人に“告げなかった”女性「寂しい、とにかく虚しい」 自身の大病も乗り越えた、“かけがえのない家”での暮らし 『ポツンと一軒家』 2枚目
拡大する

「『なんで?』『治りませんか?』って先生に聞いたんですけど、『もうどうしようもない』と。『(余命)6カ月』と言われたけど、夫には言わなかった。言いにくかったし、感じたら『あれも、これもしておかないと』と思う人だから」

 夫が余命を知って様々に心配するのではと不憫に思い、その事実を一切告げなかった。夫には「病院行ってたらいつか治るだろう」という希望を持って過ごしてくれたらと考えていたが、医師の宣告どおり、半年後に帰らぬ人となった。

 夫の死について、女性は「どうやって生きていけるかな?と。口に表わない気持ちでした。寂しい、とにかく虚しい」と話す。長男夫婦によると、夫が亡くなった当時、女性はほとんど家で過ごし、食事も喉を通らない状態が続き、長男が仕事帰りに弁当を買って食べさせていたという。また、その時の記憶は消失してしまっていた。

 その後、女性は10年ほど一人暮らしを続けたが、14年前(69歳)に大病(副腎肥大の術後で腸閉塞を発症)を患い入院。一時は昏睡状態で、3週間集中治療室に入っていたが、医師も驚く回復力を見せ、「透析も何もなしで回復した」と息子夫婦は語る。それをきっかけに、長男夫婦が奈良の橿原市から実家に戻り、3人で同居するようになった。

 現在、女性の生きがいは、亡き夫や義理の両親の墓前にいつでも綺麗な花を供えるため、家の周りに様々な花を植えて育てることだという。花を供えることで「亡くなった人も賑やかでいいかな」と、天国にいる家族の顔を思い浮かべている。

 この一軒家は、夫と義理の両親との楽しい思い出がたくさん残る「かけがえのない場所」だ。病気を克服できた理由も、この家の周りで畑仕事があったからだと感謝しており、「この家があったから帰れた。田舎やけど、この家大好き」と笑顔を見せる。

 このVTRをスタジオで見届けたパネラーの林修は、「長い暮らしの中で、良いことばかりじゃなかった。でも、『ここでの暮らしが一番』っていう場所があることが、その人の大きな財産だなと思いましたね」と感動を口にしていた。

この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(2枚)