さらに能條氏は、比例の人数を減らすことで、女性議員の割合が下がる可能性を危惧している。
「女性の比率の低さは、もちろん立候補する女性が少ないこと、女性の方が当選しづらいこともあるが、同時に『どういう選挙制度か』ということが影響している部分もある。例えば、地方議員の女性割合を見てみると、都道府県議会は14.6%、市議会は19.5%だ。都道府県のほうがなぜ低いかというと、都道府県の議会議員選挙は1つの選挙区に対して、1人〜2人しか当選しないことが多い。逆に市議会の場合は、例えば30人議席があったら、30位までに入れば当選するというように制度が全然違う」
「例えば、衆議院よりも参議院の方が女性の議員の当選割合が多いが、これも1人区ではないところが多く、かつ比例もある選挙だから増えているところがある。現在の衆院の議員定数削減の議論では比例の議席を減らす案が出ているが、比例を減らすということで、少しずつ増えてきた女性議員の割合をまた下げてしまうことになるのではないかと危惧している」
また、「民主主義とは何かを考えた時に、多数決で1位の人の意見だけが聞かれます、じゃないと思う。いろいろな立場の人たちがいて、人数は少ないかもしれないけれど聞かれるべき声もある。そういう声を救い上げるために議員がいると考えた時に、いろいろ話さなければいけない大事なことがある中で、議員自らがこの議員定数削減を一番に話すことになってしまっているのは、自分たちから『自分たちの仕事はそこまでないです』と言っているようなものなのではないか」との見方を示した。
(『わたしとニュース』より)
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