【WRC 世界ラリー選手権】第14戦 ラリー・サウジアラビア(11月29日/デイ4)
11月29日、WRC(世界ラリー選手権)第14戦の競技最終日デイ4が行われ、ヒョンデのヌービルが今季初優勝を飾った。多くのドライバーが砂だらけの路面に悩まされたなかで、フォードの若手ドライバーがあわや横転かという危機一髪のシーンを乗り越えている。
今回が初開催となったサウジアラビアは、ほとんどのステージが砂漠や山岳路というハードなグラベル(未舗装路)ラリー。最終日までに多くのドライバーがタイヤトラブルに見舞われて大荒れの展開となった。そんななか気を吐いたのが、Mスポーツ・フォードに所属する26歳のジョシュ・マッカーリーンだった。
マッカーリーンは前戦に大クラッシュでリタイヤしたばかり。今季最終戦では、フォードとしても意地を見せるべく、チーム一丸で最終SS17に臨んだ。岩場に設置されたステージは、グリップしづらい砂地路面が滑りやすく、コース脇には鋭い岩が並び、少しでもコースをはみ出ればタイヤをバーストする危険性が高い。マッカーリーンは着実にコーナーをクリアしていったが、最後の左コーナーに侵入した際、轍にタイヤを引っ掛けてしまう。解説のピエール北川氏も思わず「おっと!危ない!」と叫んだが、マッカーリーンのマシンは宙に浮いたものの、なんとか体勢を立て直して着地した。
北川氏によれば、「轍が深く掘れてきてるんで、乗り方を間違えると一瞬(ボディが)浮き上がるんですよね」ということで、前走車が残した轍に横から侵入し、ボディが横転しそうになったようだ。Mスポーツ・フォードのチーム代表を務めるリチャード・ミルナーも、頭に手を当てながら安堵の表情を見せている。
マッカーリーンはそのまま走り続けて無事にSS17をフィニッシュ。SS17で10位のタイムを出すと、ラリー・サウジアラビアは総合9位で終えている。最終的な年間ランキングは11位ということで、来季は安定感のある走りをキープしつつ、さらなる成長を見せたいところだ。(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
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