こんなに大きいテーブルを素手で磨き上げるのは、もはや修行ではないのか。島本さんは「私たちも手でやるのはしんどい。現代の道具でできないのかとか。いろいろ調べてやってはみたが、あそこまで鏡面にできるのは手しかないという実感はある」と語った。

 道具ではなく、指先で仕上げる技。わずかな力加減ひとつで、表情が締まりも、崩れもする。漆塗りの修行を始めたばかりの弟子は、摩擦で指紋がなくなってしまうこともあるという。

「自分の達成感でもある。こういう風な技法が私の代にまで伝わってきている。私のところでクオリティを下げたら、昔の人に申し訳ない。形を変えずにやり続けるのが、職人としての役割だと思う」(島本さん)

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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