【SVリーグ】クインシーズ刈谷 1ー3 ヴィクトリーナ姫路(11月29日・女子第8節)
女子バレーで、場内が拍手に包まれるシーンがあった。フェアプレーに徹した選手に審判から「グリーンカード」が提示されると、脚光を浴びた選手がどうしてよいか…といった様子でもじもじ…可愛らしい照れ笑いを浮かべる一幕があった。
大同生命SVリーグ女子の第8節、ヴィクトリーナ姫路はクインシーズ刈谷と対戦。アウェイチームがリードする中盤、会場がほっこりするような光景が見られた。
第2セット7―14の場面で、姫路が野中瑠衣のサーブで攻撃を始める。これを刈谷に拾われると、アメリカ代表のオポジットであるダニエル・カッティーノのライトからの強烈なバックアタックが返ってきた。姫路のセッター、櫻井美樹がかろうじてレシーブすると、ネット際に上がったボールを宮部藍梨がオーバーハンドで相手コートへ。今度は刈谷が、レフトから鴫原ひなたのスパイク。しかしこれはアウトとなり、姫路がポイントをゲットした。
と、ここで試合が中断。何が起きたのか――。
実は、宮部が相手コートに返した際、ダブルコンタクトしていたというのだ。これを宮部が自己申告したため、1stレフェリーの内藤聡美氏はグリーンカードを提示した。フェアプレーを感じさせるシーンなどで提示されるこのカードは、選手の振る舞いを称賛するもの。審判がマイクを通してこの事象を説明すると、本人は照れた様子で笑顔をのぞかせていた。
しかも、審判が話している最中、アリーナは静まり返っていたため、全員の視線が宮部の元へ注がれる。場内の拍手喝采を集めると、恐縮した様子でその賛辞を受け取った。
試合は、宮部がチーム三番目に多い10得点を挙げて3―1で勝利。姫路が敵地で主導権をにぎる展開となったものの、この試合は、宮部だけではなく、刈谷のタイ人セッター、ヌットサラ・トムコムが自己申告でグリーンカードを2枚もらうなど、フェアプレー精神が連鎖。アリーナには、両チームの選手に対して大きな拍手が送られる一戦となった。(ABEMA de J SPORTS/SVリーグ)
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