何者かが不自然な形で週刊誌にリークした、藤原の5年前の不貞&未成年飲酒スキャンダル。てんてこ舞いのRafaleを横目に、児玉社長は死去した会長をしのぶ会で堂々とえげつないスピーチを行う。
「会長は、社員やタレントを愛情深く育てていました。残念ながらその思いが伝わらず、後ろ足で砂をかけるように事務所を出て行った社員がいることも事実です。このような勝手がまかり通っていては、先代が築き上げた秩序を脅かすことになります。私どもの手で、業界の結束を守り抜いてまいりましょう」
「後ろ足で砂をかけるように事務所を出て行った社員」とは咲の事を指しているのは明らかで、「秩序を脅かす」独立系事務所Rafaleを見せしめに締め出すことで「業界の結束を守り抜く」と高らかに宣言しているのだ。
芸能界のトップに君臨し、業界を牛耳る児玉社長の言葉に、その場に集った業界関係者はビビッドに反応。児玉社長に忖度した「Rafaleはしばらく出禁」という圧力が各所に出回ることになる。しかし児玉社長が主張する「秩序」とは一体誰のためにあるものなのか?
大手芸能事務所のスキャンダルが国際的関心を集めた昨今。「圧力」「忖度」という悪しき慣習蔓延る芸能界の暗黙の了解なるものが炙り出されたりした。そんなリアルな現実を反映したかのような児玉社長のスピーチの内容と言外に仄めかされる真意は、単なるフィクションとして切り捨てられない生々しさがある。果たして孤立無援の咲に勝機はあるのか?

