すると砂煙を上げながら猛スピードで走るサミ・パヤリ(トヨタ)のマシンが、タナック車の横を駆け抜けていった。実はトラブルそのものではなく、順位を争う後続の若手ドライバーの走行を妨げないよう、進路を譲るための停車だったことが判明した瞬間だった。

 この元王者の振る舞いに、ファンからは「通過待ちか…」「快速まち」「通過列車」「マナーです」「お先にどーぞ」「よけてる?」「タナック、いい人だよね」などのコメントが寄せられた。タナックはデイリタイアとなったものの、最終日は復帰。走行後に「これから休息をとることになるが、家族と過ごす時間がすごく少なくなっていることが理由」と述べた。実況の菱沼アナウンサーが「アイスマンと呼ばれることもありますけれど」と言及したことを受けて、解説のピエール北川氏は「全然そんなことないと思う。人情味のある温かい男」と述べたが、競技でも最後までナイスガイな一面を見せた。(ABEMAWRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)

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