■毛利元就の子孫が四苦八苦

毛利就慶
拡大する

 毛利さんは、父で13代目当主・就擧さんが設立した音楽・映像制作会社を経営する傍ら、YouTubeで「毛利家歴史チャンネル」を運営。毛利家の歴史などを振り返る動画を制作、配信している。歴史ファンならずともその名を知らぬ者はいないほどの有名大名の末裔ともなれば、さぞ大きな財産があると思われがちだが、決してそうではない。「自宅の周りには約3000坪(の土地)があったが、その時の当主が食べていけないからと、切り売りをして、今は若干の土地が残っているぐらい」だという。

 毛利元就ともなれば、関連する文書一つでも歴史的価値があるだけに、その保全・保管にも気を使う。番組内では、文化遺産レベルである数々のものを民間で維持してもらったらどうなるかという質問が飛んだが、毛利さんは「ちょっと計り知れない。今は山口県の文書館と、地域の美術博物館に、数は言えないが相当数を寄託している。ただ寄託とはいえ、それを直すのは個人の負担。それはとても個人ではできない時代になっている」と、維持コストの大きさを説明した。

 支援なども集まりにくい状況のため、私財を切り売りしながら“毛利家”を守るという日々が長く続いている。「例えば指定文化財なら、市が半分出し、その代わりにもう半分は家が出す。墓地の修復なども大変なので、土塀を直すようなことも先送りになる」と、手間も資金も足りていない。

 ただ毛利さんは、自分の代で絶家することは考えられず、むしろ自身の息子にも家を継いでほしいという思いがある。「良ければ継いでほしいという気持ちはある。今まで続いてきたものでもあり、伝統を引き継ぐ上で、男の子が生まれたからには継いでほしい」と、継承することの大変さは痛感しているが、それでも本音はここにある。

 番組内では、毛利家存続のアイディアもいくつか出た。毛利元就ファンに呼びかけるクラウドファンディングも提案される中、2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏が考えたのは“毛利元就”というブランドでの商品展開だ。「アーチェリーの弓とかでも、毛利家のブランドで弓を作れば売れると思う。やはり“毛利”の名前にはビジネスチャンスがある」と提案。「ブランドとしては異常に強いので、いかようにでも商売はできる。商売になり、それに携わる人が増え、その名前残した方がいいとなれば、その子孫の人たちも仕事になって、永遠に続く。誰かがお金を回る仕組みを作り、ブランドを維持すればいい」と熱く語っていた。
(『ABEMA Prime』より)
 

この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(3枚)