そんな時、兄から勧められた『仮面ライダー』をみて夢中になり「仮面ライダーになりたい」と思った松谷。「単純ですよね」と照れ笑いしつつも「ずっと野球選手になるのが目標だったんですけど、夢破れて…もう1回新しくやりたいことが見つかった」と真剣な表情で役者を目指すことになったきっかけを語った。
その後、通い始めた演技のワークショップで映画『栄光のバックホーム』でメガホンをとる秋山純監督と出会う。『只野仁シリーズ』を手掛けた秋山監督の「芸能には裏も表もないという考え」により裏方を一から勉強することができたのだと話す。
当時の経験を「制作進行と言う形でずっとやらせていただきながら、ベテランのキャストさんのお芝居を間近でみることができて、とても勉強になりました」と振り返り「秋山監督に出会って、僕の人生が動き出した」と感謝を口にした。
なかでも、佐藤浩市や高橋克典、尾野真千子、平泉成らの名を挙げて「お芝居に向かう、現場での佇まいだったりとかスタッフさんへの気配りだったりとか、そういう表には見えないところを色々勉強させていただきながら…」と話すと、黒柳は「そういうところ、みんな見てるのね、嫌だわね」と笑い、松谷も「いやいやそんなことないです」と困惑しつつも笑顔で返し、ほのぼのとした雰囲気に包まれた。
(『徹子の部屋』より)

